【業界研究】金融業界の特徴と業種について|就活生が知っておくべき今後とは?
金融
CONTENTS
金融業界のおもな特徴
金融業種:金融業界にはどんな仕事があるのか
銀行
証券
生命保険・損害保険
クレジット
リース
金融業界の今後はどうなるか?
現在の市場動向
FinTechの影響は?
新規参入が多い?
新卒に求められる人物像
①誠実性
②正確性
③メンタルマネジメント
④変化への順応性
⑤勤勉さ
まとめ
金融業界は経済の中心に位置し、かつてはその安定性から就活の人気業界でした。しかし現代では「ITに浸食され、近いうちに崩壊するのではないか」という不安から、敬遠する就活生が多いようにも感じられます。
仕事内容には興味があるのに、漠然とした不安や周りの「大丈夫なの?」という声に踊らされて判断することは危険です。そこで今回の記事では、
- ・金融業界ってどんな特徴があるの?
- ・いろいろな業種があるって聞いたけど、具体的にはどんなビジネスが行われているの?
- ・金融業界の現状とこれからの動向って?
- ・新卒の金融志望者にはどんなことが求められる?
というトピックを中心にご紹介していきます。興味のある業種については、より詳しく研究している記事のリンクもご紹介していますので、併せてご覧いただき業界研究にお役立てください!
金融業界のおもな特徴
金融業界とひとことで言っても、その範囲や種類はとてつもなく広いものです。細かく企業や職種を分け始めるとキリがないほどです。
今回はその中でも筆者が就活をしていたときに感じた、金融業界全体で当てはまる特徴をお伝えしたいと思います。
項目 | 特徴 |
---|---|
就職活動 | とにかく面接の回数が多い。平均3回、多いところでは5回の面接も。 「いま自分が何次面接を受けているのかわからない」という意見も多数。 |
社風 | 歴史のある企業が多いため、その企業独特の社風・体質もみられる。 独自のルールを設定している企業も。 |
仕事内容 | 総合職を中心にハードな仕事内容であることが多い。 入社後も資格取得や勉強が必須で、ストイックな人・ストレスに強い人にはおすすめ。 |
語学力 | 急速なグローバル化により、国内勤務であっても英語力は欠かせない。 TOEICの点数基準を設けている企業もあり、600点以上や750点以上など基準は様々。 |
職種 | 総合職、専門職、エリア職など細かく分かれている。募集もそれぞれの職種で行われる。 |
給料 | 大手企業での給料は全体的に高め。年次や業績により都度昇給があることが多い。 |
福利厚生 | 大手企業を中心に充実している。 女性の活躍度合いや、男女を問わない産休育休取得のしやすさは未だ企業によりばらばら。 |
金融業種:金融業界にはどんな仕事があるのか
職種が幅広く分かれている金融業界ですが、その種類にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは特に5つの業種について、そのおもな特徴を紹介していきます。
具体的な業務内容や各業界の内部における職種については、それぞれの関連ページにて詳しく説明しています。あわせて読むと業界に対する知識が大きく得られますよ!
銀行
銀行にも種類があり、大きく「中央銀行」「普通銀行」「信託銀行」の3つに分けられます。
「中央銀行」は「日本銀行」とも呼ばれる銀行で、お札を発行するだけでなく物価や金融システムの安定化にも大きく関わる銀行です。就職の難易度はかなり高めと言えるでしょう。
街中でよく見かけるような銀行が「普通銀行」です。みずほ銀行などは全国に支店を持つ大手のため「メガバンク」と呼ばれます。それに対し横浜銀行など地名が名前になっている銀行は「地方銀行」と呼ばれ、地域に根差した金融活動を行っているのが特徴です。
これらに対し、JPモルガン信託銀行などの「信託銀行」では、いわゆる銀行の通常業務に加えて資産運用や仲介業など特有の業務を行っています。
それぞれの業種での詳しい内容や課題・動向については以下の記事でまとめています。
【新卒:業界研究】銀行業界の特徴|仕事内容から魅力まで一挙解説
証券
メリルリンチ日本証券や野村證券、SBI証券などの証券会社に代表される金融業界です。株券や債券などを用いて委託業務や資産管理などのビジネスを行う他、証券会社が投資家となって自己売買を行う業務も存在します。
金融業界の中でも特に実力主義であると評されており、平均年収も高めです。高度に専門化した知識やノウハウ、用語を駆使するためかなりタフな仕事と言えるでしょう。
社風や理念も企業により様々です。以下のページでは大手証券会社の特徴を表形式でわかりやすく紹介する他、今後の課題と動向についてもまとめています。ぜひ業界研究にお役立てください。
証券業界はこれからどうなる?知っておくべき現状の課題と今後の展望
生命保険・損害保険
日本は保険大国です。国民皆保険に始まり様々な保険に加入している国民が多く、その市場規模は世界と比べてもトップクラス。保険会社も多く存在します。
「いつか身体を壊した時のために」「健康と安全をお金で買う」といった意味合いを込めて予め支払われた保険料を元に、綿密な分析と資産運用を行いビジネスを実現しています。
かんぽ生命や第一生命、東京海上ホールディングスなどの企業が特に名を馳せており、堅実なビジネスを行うことを理念としています。そのため働き方改革にも積極的であり、子育て支援や復職支援などの福利厚生も充実している企業が多いようです。
市場規模こそ大きいですが、やはり直面する課題も避けられないもの。保険業界のさらなる詳しい特徴と今後の課題・動向については以下の記事でまとめています。
クレジット
オンライン決済やネットショッピングが主流となるいま、大きく市場を拡げているのがクレジット業界です。コロナウイルスの影響を受けキャッシュレス決済の需要が高まったことにより、今後の成長も期待される業界と言えるでしょう。
クレジット業界は主に、「手数料」「年会費」「金利」の3つの仕組みによりビジネスを成り立たせています。特に利用者、及び加盟店からの「手数料」が収益の半分以上を占めており、次いで「金利」と「年会費」により企業が成り立っているのです。
クレジット業界も競合他社が多く並ぶ時代となり、その特徴も企業により様々です。以下の関連ページで代表的なクレジット会社と業界全体の課題・動向についてまとめています。
【新卒:業界研究】クレジットカード業界の特徴|業界ランキングや仕事内容など一挙解説
【就活:業界研究】クレジットカード業界の課題と動向について解説!
リース
リース業界とは、大量のプリンターやPC、さらには飛行機など、企業が一括して購入することの難しい商品を仲介して貸す業界です。あまり知名度が高くないとも言われますが、国内企業でのリース利用率はおよそ9割とかなりのシェアを誇ります。
リース企業は主に「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の2つの進め方でビジネスを行っています。この形態の違いから、金融的な側面とサービス的な側面を併せ持った業界としても評されているようです。
以下の関連ページでは具体的なビジネス手法の違いと、国内でのリース企業ランキングをわかりやすく紹介していますので、是非ご覧くださいね。
【新卒:業界研究】リース業界とは?業界ランキングから今後の展望まで解説
金融業界の今後はどうなるか?
激動の時代に突入したとされるいま、金融業界は今後どのような動きを見せるのでしょうか。金融業界を目指す就活生はもちろん、それ以外の就活生にも「社会の動き」として知っておきたい動向をまとめました。
現在の市場動向
近年、欧州をはじめとする各地域でのメガバンクにて大規模なリストラが頻繁にみられるようになりました。その流行は日本においても御多分に漏れず、大手メガバンクにて数千人規模のリストラが行われています。
このリストラの裏には、AI化の進展と技術革新による業務の代替が隠されています。すなわち、これまでは人が行っていた書類処理などの業務を一挙にシステムが請負い始めたのです。この変化のことを「オートメーション化」と呼びます。
金融業界における技術革新の影響はより大きなものとなりつつある現状です。次項ではFinTechが金融業界にもたらした影響について考察していきましょう。
FinTechの影響は?
FinTechとは金融(finance)と技術(technology)を組み合わせた造語です。金融サービスと情報技術の結びついた革新的な動きのことを指し、スマホからの送金もそのひとつです。
参考:https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i25.htm/
従来の金融サービスに大きな打撃を与えると業界内では早くから懸念されており、世の中の動きを踏まえて日本銀行でも2016年にFinTechセンターを開設するなど注目度は高いと言えます。
しかしスマホ決済などを従来の銀行サービスといった金融システムに浸透させることは容易ではありません。メガバンクのひとつである三菱UFJ銀行は安全性の観点からスマホ決済に懐疑的であり、ゆうちょ銀行などFinTechを取り入れる場合も他社サービスとの連携には慎重です。
金融業界全体が情報技術の動きを注視していることは間違いありませんが、今後どのように変わっていくかを現時点で断言するのは難しいでしょう。
新規参入が多い?
これまではメガバンクをはじめとする大手金融企業が金融業界のトップを走り続けていました。ですが1990年代に英国で起こった「金融ビックバン」という改革の影響により、日本でも金融への他業界の参入が許され、今では新規参入が多数みられるようになっています。
一昔前は金融業界に就職すれば一生安泰だといわれていました。寡占的な環境で、政府の保護も今より手厚かったからです。しかし今や金融業界はラインなど新規参入が増え、既存の大企業でも生き残りをかけた変革が求められるようになりました。
新卒に求められる人物像
金融業界は他の業界に比べ深い歴史もあることから、独自の社風や理念がみられます。そんな金融業界を目指す新卒就活生に求められるのは、どのような人物像なのでしょうか?必要な要素を列挙していきましょう。
①誠実性
資産を扱う金融業界では個人や企業のお客様から信頼されることが大切でしょう。うんざりするほどの書類の山と格闘することもありますが、目の前の仕事に常に誠実な姿勢で取り組めるかは大きな評価ポイントです。
②正確性
数字や締切などあらゆる面で自分の仕事を管理することが求められます。細かいことはいいじゃんという性格だと、自分にとっても周りにとってもストレスになるでしょう。
③メンタルマネジメント
激務の職種が多いのも金融業界の特徴です。営業での結果を求められたり、厳しい指導が入ることもあります。そんなときに反省するべき点は反省し、すぐに気持ちをポジティブに切り替えられない人は精神的に辛くなるかもしれません。
④変化への順応性
前にも述べたように金融業界は急速に変化を求められています。現状で満足したり、言われたことをこなすだけでは不十分です。いま必要なことを主体性をもって考え、行動できる人材が重宝されます。
⑤勤勉さ
金融関連の資格や英語、取引先の事業内容など学ぶことは大量にあります。内定者の段階から入社後もずっと勉強漬けの日々です。勉強は大嫌いという人は難しいかもしれません。
まとめ
今回の記事では金融業界の特徴とその業種について紹介いたしました。
・銀行、証券、保険、クレジット、リースなど幅広い業種が見られる。
・近年は技術革新が著しく進み、その影響は金融業界にも大きく関係している。
・社風が特徴的な企業も多く、求められる人物像が似通っている。
金融業界は経済の中心にあるとても面白い業界です。求められる人物像や業界全体の特徴も他の業界にはないものがあり、興味があるのに業界の先行きが不安だからという理由で諦めるのはもったいないでしょう。
確かに、目まぐるしいスピードで業界全体が変化している点で不安定さは否めません。しかし企業ごとに生き残りをかけて新しい試みを行っているようです。
見方を変えれば、皆さんが主体となって企業や業界全体を動かすチャンスがあるということです。もし今現在興味がある企業や職種があるのであれば、敬遠せずに説明会や選考に参加してみてはいかがでしょう。
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