【新卒:業界研究】リース業界とは?業界ランキングから今後の展望まで解説

CONTENTS

そもそもリース業界とは?

リースには大きく2種類ある

ファイナンスリース

オペレーティングリース

リース業界の仕組み

リースには「金融機能」と「サービス機能」がある

リース業界の主要企業5社を売上高ランキングで紹介

第1位:オリックス株式会社

第2位:三井住友ファイナンス&リース株式会社

第3位:東京センチュリー株式会社 

第4位:三菱HCキャピタル株式会社

第5位:芙蓉総合リース株式会社

リース業界の現状

リース業界今後の展望は?

まとめ

就活生の間ではあまり知名度の高くないリース業界。


そもそも「リース」って何だろう…と思われる方も多いかもしれません。


今回の記事ではそんなリース業界を研究していきます。


  • リースってなに?
  • どんなビジネスの仕組みなの?
  • どんな企業が高い売上を維持しているの?
  • リース業界の現状と今後の展望は?

といった疑問にお答えできる記事となっておりますので、是非皆さんの業界研究に役立ててくださいね!


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そもそもリース業界とは?



そもそも「リース」とは何を意味しているのでしょうか?


リース(lease)とは「貸し借り」を意味する言葉です。例えばある企業A社がプリンターを大量に導入したいと考えた時、全て購入するのはあまりにコストが大きい。そこでリース会社R社を用います。A社は料金をR社に支払いリース契約を結びます。R社はプリンター会社のS社からプリンターを大量に購入しており、そのプリンターをA社に貸すことでマネタイズしているのです。


現在国内企業でのリース利用率はおよそ9割にものぼると言われています。それだけ需要の大きいビジネスモデルであることを表しており、業界規模が8兆円近くに及ぶことへも納得です。


リース業界の面白いところは、レンタル業ではなくその業種が金融業界に含まれるということです。その理由については以下で詳しくみていきましょう。


リースには大きく2種類ある



ひとことにリースといっても、そのビジネスの進め方により「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の2つに分けることができます。2つの具体的な違いを確認してみましょう。


ファイナンスリース

ファイナンスリースでは、リース会社が設備を先に購入し利用ニーズのある他社へ貸すビジネスモデルを採用しています。この際前提として、借り手側は契約期間中に設備価格の全てを払い終わらなければなりません。すなわち契約が満期を迎え設備価格を全て払い終えれば、その設備は借り手側のものとなるのです。


スタートアップの企業や資本金の少ない会社では初期の設備投資に大金をかけられない場合もしばしば。そんな時にこのファイナンスリースを利用することで、出費を大幅に抑えることができます。


このモデルは別の視点に立つと、物を先に渡して後からお金を集めるローンのようにも見えます。この点こそが、リース業界が金融業界に組み込まれる理由なのです。


オペレーティングリース

一方オペレーティングリースでは、設備価格の全てを借り手側が払う必要はありません


オペレーティングリースを利用する際、借り手側はリース契約期間の終了後に設備を中古販売することを前提としています。予めリース契約をする際に「契約満期となる頃この設備の中古価格は大体どれくらいになるか」を第三者介入のもと評定します。その評定価格から契約料金を設定することができるため、借り手側はファイナンスリースの場合よりも出費を抑えることができます


貸し手側には「評定した中古価格で売れないかもしれない」というリスクが生じますが、もし評定価格よりも高値で取引が行われた場合はキャピタルゲイン(売買差益)を得ることができ大きなメリットへとつながります。


リースとレンタルの違いは?

ではリース(ファイナンスリース)とレンタルはどう違うのでしょうか?以下の表で詳しくまとめました。リース業界への就職を希望する方は特に、その違いを述べられるようにしておきましょう!


  
(ファイナンス)リース 利用者が使いたいと思っているが購入が難しい場合、リース会社が代理で購入し貸し出しを行うもの。
契約の期間は最短でも数年以上であり、中途解約はできないことが基本

Ex.) LCC会社の飛行機、船舶、PC、スマートフォン等
レンタル 利用者はレンタル会社が保有しているものの中からどれを借りるか選ぶ形。
契約期間は数時間から数週と比較的短期間であり、中途解約も可能

Ex.) DVD、本、楽器、車など



リース業界の仕組み



先述のように、リース業界の仕組みは少し複雑です。利用者とリース企業、設備の供給元の三者が揃って初めて仕組みとして成り立ちます。またこの「設備の供給元」を業界では「サプライヤー」と呼ぶことも覚えておきましょう。


リース企業は三者の中で仲介的な役割を担っています。利用者とサプライヤーの直接取引を代替することで中間マージンを得ているのです。


リースには「金融機能」と「サービス機能」がある

リースには大きく分けて2つの機能があると言われています。


金融機能」はここまで説明してきたリースと同様、設備投資にかかる費用をリース会社が建て替え、利用者が時間をかけて返していくものです。払う料金が毎月定額で決められているため、借り手は金銭コストの配分を前もって検討でき、他のものにコストをかけることができます。


これに加え「サービス機能」は、設備導入の会計処理や税務処理、損害保険の加入や使用後の廃棄といった、設備を導入するにあたり必要となる雑多な手続きを全てリース企業が引き受けてくれる機能です。これらには専門知識が必要で、自社で賄うにはコストが大きいです。手続きをリース会社が代行することで手間が大きく省けるため、時間コストや人件費の削減にもつながります。


リース業界の主要企業5社を売上高ランキングで紹介



それでは、具体的にどのリース企業が業界でトップの成績を納めているのか見ていきましょう!今回は売上高のランキングを作成しました。売上高と従業員数、またそれぞれの会社の特徴を押さえておきましょう。


第1位:オリックス株式会社

売上高:2兆5,203億6500万円(2022年3月期、連結)

従業員数:33,253人(2022年9月時点)


特徴:祖業であるリース以外にも様々な事業を軌道に乗せています。また持続的に新事業の開拓を行えるだけの経営的なタフさがあり安定しているといえるでしょう


参考:オリックス株式会社 https://www.orix.co.jp/grp/
参考:オリックス株式会社「2022年3月期 決算短信(訂正後)」https://www.orix.co.jp/grp/company/ir/library/financial_result/backnumber/202203.html

第2位:三井住友ファイナンス&リース株式会社

売上高:1兆8,185億3500万円(2022年3月期、連結)

従業員数:3,719人(2022年3月時点)


特徴:SMBCグループと住友商事の両株主と協働しており、広範な顧客基盤やネットワークをうまく利用したビジネスを行っています。


参考:三井住友ファイナンス&リース株式会社 https://www.smfl.co.jp/
参考:三井住友ファイナンス&リース株式会社「決算発表資料」https://www.smfl.co.jp/corporate/finance/accounts-smfl/

第3位:東京センチュリー株式会社 

売上高:1兆2,779億7,600万円(2022年3月期、連結)

従業員数:3,309人(2020年3月時点)


特徴:トップのリース企業の中では珍しく銀行を持たないため自由度の高いビジネスを行っています。また海外拠点を数多く有しグローバルなリースも可能としています。


参考:東京センチュリー株式会社 https://www.tokyocentury.co.jp/jp/
参考:東京センチュリー株式会社「2022年3月期決算短信」https://ssl4.eir-parts.net/doc/8439/tdnet/2118500/00.pdf

第4位:三菱HCキャピタル株式会社

売上高:1兆7,655億5900万円(2022年3月期、連結)

従業員数:8,972人(2022年9月時点、連結)


特徴:国内でもトップクラスのファイナンスカンパニーによるリース企業です。銀行や商社の顧客基盤を利用したリースも行うため安定しながら事業を拡大できる点がと特徴です。


追記:2021年に三菱UFJリースは日立キャピタルと合併し、三菱HCキャピタル株式会社と商号を変更しました。


参考:三菱HCキャピタル株式会社 https://www.mitsubishi-hc-capital.com/
参考:三菱HCキャピタル株式会社「2022年3月期 決算短信」https://www.mitsubishi-hc-capital.com/investors/library/account/index.html

第5位:芙蓉総合リース株式会社

売上高:6,578億4700万円(2022年3月期)

従業員数:3,147人(2022年9月時点、連結)


特徴:みずほ銀行や丸紅などの芙蓉グループ会社が中心となり設立されたリース企業です。リース以外の分野でも事業拡大を図っており安定的な成長を見せています。


参考:芙蓉総合リース株式会社 https://www.fgl.co.jp/index.html
参考:芙蓉総合リース株式会社「財務ハイライト」https://www.fgl.co.jp/ir/highlight.html

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リース業界の現状



リース業界は今どのような状況にあるのでしょうか。


公益社団法人リース事業協会によるリース統計によれば、2019年度のリース取扱額は5兆3,331億円と中程度の市場規模です。リースする機種に関しては情報通信機器が38.5%と圧倒的に高く、ついで自動車や船舶などの輸送用機器がよく取引されています。


リース業のおよそ半分は中小企業に対して行われております。他社との取引によって初めてサービスが成り立つため、景気の影響を大きく受けやすいというのが特徴です。景気が悪くなってもなお自社の設備投資を拡充させる会社はあまりいないようですね。


リース業界今後の展望は?



リース業界は今、ある意味で大きな転換期を迎えています。市場規模こそしっかりとしていますがリースの国内利用率が9割を超えているなど、これ以上の成長が頭打ちになってしまっているのです。


そんな中、今後のリース企業では「新事業を開拓し海外にも拡充させる先見」がますます求められつつあります。また最近では経営的なタフさを得るために吸収合併する会社も多く、このような業界再編の動きはますます見られることでしょう。


まとめ

今回の記事では、就活生にとってあまり馴染みのないリース業界について紹介しました。以下が今回の重要ポイントです。


・リースとは設備投資にコストをあまり分配できない企業へ向けたレンタルの仕組みのようなもの。
・ファイナンスリースとオペレーティングリースとがある。
・金融的な機能も担っており、トップのリース企業のほとんどが大手銀行から派生している。
・今後の成長維持のために新事業拡充がポイントとなる。


リース業界の就職活動では、景気や時事問題に関する見識も幅広く持ち合わせていることが望ましいでしょう。業界研究を進める中で時事ネタにも目を傾けていきましょうね。


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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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