【必読】気づきを得る他己分析のやり方は?自己分析の欠点を補う活用方法

CONTENTS

他己分析の基本

他己分析とは

自己分析と他己分析の違い

他己分析の目的

就活における他己分析のメリット4つ

①自分が見落としがちな価値観や視点に気づくことができる

②面接の質問対策になる

③自己PRやガクチカの説得力が増す

④言語化が早く進む

他己分析のやり方①:質問項目を用意する

他己分析のやり方②:依頼する

家族⇒自己分析との整合性を見る

友人・先輩⇒周りからの共通評価を知る

他者から見た第一印象を見る⇒就活エージェント

他己分析のやり方③:進め方で注意したいポイント

①親密度の異なる人にお願いする

②質問項目は統一する

③必ず「なぜそう思ったか」を聞く

④時期は早めに取り組む

他己分析のやり方④:自己分析を補完して活用する

自己PRの強化

業界・企業選びに活用

面接での第一印象を対策する

まとめ

みなさんは「他己分析」をおこなっていますか?自己分析は頻繁に耳にするものですが、他己分析には馴染みがなくやったことがないという方も多いかもしれません。


他己分析とは、他人に自分の性格や特徴を判断・分析してもらう作業のことです。自己分析は自分ひとりで行うため主観的になりがちな一方、他己分析では普段気が付かないような「周囲から自分がどう見えるか」を知るチャンスになります。自己を客観的な視点から捉えることができるため、自己分析に行き詰まりを感じた方をはじめ、どなたにもオススメしたい手法です!


今回の記事ではそんな他己分析の具体的なやり方と就職活動における活用法をご紹介いたします。


・他己分析のメリットについて簡単に知りたい
・具体的にどう進めていくか覚えておきたい
・注意点やうまく行うためのコツをおさえておきたい


他己分析の基本



就職活動では、自分の強みや弱みなどの特性を知ることが重要です。


そこで自分の特性を知るための一般的な方法として自己分析がありますが、自己分析ではどうしても主観的になりがちです。


そんなときに活用して欲しい方法が他己分析です。「人に聞くのは恥ずかしいしちょっと面倒だな…」という理由から、他己分析をやったことがある人は少ないかもしれません。しかし、他己分析はとても良い分析方法なのです。


そこで、まずは他己分析の基本について解説します。


他己分析とは


他己分析とは、複数の第三者に自分の性格や長所・短所などについて質問し、人から見た自身の印象や評価を理解し分析する方法です。自分では気が付かなかった特性を知ることができます。


自己分析と他己分析の違い


自己分析と他己分析は、「自分だけで完結できるかどうか」という点が大きく異なります。


自己分析は、自分の気持ちや思考の動きを時系列に沿って分析し、自身の特性を知ることが特徴です。一方、他己分析は、第三者から見た自分の特性を把握するためのものであり、誰かに聞くことが必須で自分ひとりでは完結しません。


もっとも、自己分析と他己分析には共通点もあります。どちらも「自分自身を知るため」という目的は同じです。文字だけを見ると、自己分析と他己分析は反対にある概念のように思うかもしれませんが、自分をより深く知る方法のひとつといえるでしょう。


他己分析の目的



他己分析は、客観的な視点から自身の評価を把握することで、自分の知らない特性や自身が認識している特性とのギャップを知ることが目的です。


「自分の性格は他の人からはこんな風に見えていたのか」「自分は弱点だと思っていたけど、実は強みだったのか」といった自己認識とのギャップに気づくことで、自己分析の裏付けやサポートとして活用することができます。


このギャップについて理解を深めることのできる方法として、「ジョハリの窓」というものがあります。「自分から見た自分」と「他人から見た自分」の情報を切りわけて分析することで自己理解を深める心理学モデルのひとつで、自身の分析と他己分析を同時に行うことができる方法です。ジョハリの窓は、企業の研修や人材育成の場面でも多く活用されており、近年は就活の自己分析や他己分析としても利用され始めています。


ジョハリの窓のやり方は、性格を当てはめる窓として


  • 開放の窓(自分も他人も知っている特性)
  • 盲点の窓(自分は知らないが他人は知っている特性)
  • 秘密の窓(他人は知らないが自分は知っている特性)
  • 未知の窓(自分も他人も知らない特性)


の4つを使い、複数名が自身そしてお互いの性格をこれらの窓に分類した後、その内容についてディスカッションを行うというものです。


この方法により、自分ではまだ気付いていない自身の強み・弱みへの理解を深めることができます。他己分析を通じて、友人とお互いの自己分析をサポートし合える効率的な方法なので、ぜひ試してみてください。


就活における他己分析のメリット4つ


周囲の人に自分を判断・分析してもらう他己分析。そのメリットをしっかりと意識すれば、他己分析をさらに有効活用できるようになります。ここでは他己分析のメリットを


  • ①様々な価値観や視点への気付き
  • ②面接対策
  • ③自己PRの説得力
  • ④言語化が進む

の4つに分けて確認していきましょう!


①自分が見落としがちな価値観や視点に気づくことができる

他己分析の最も基本的なメリットとして挙げられるのは、自分だけでは触れることのなかった価値観や視点に気が付けることです。自分の主観的な視点ではない、他者の視点で多様な分析がもらえるのは大きなメリットと言えるでしょう。


特に、就活の目的がはっきりしない人などは自分の求める理想があいまいな傾向があります。それを解決するためには自分を多面的に知る必要があり、一人では気が付かない性格や特徴を明らかにしてくれる他己分析が非常に有効なのです。


また、他人から見たあなたの長所があなたが活躍できる仕事の可能性を広げてくれることもあります。


②面接の質問対策になる

「友人からどんな人だと言われますか?」


という質問は、面接では定番となってきましたね。定型文での答えを用意しておけば答えられますが、深く聞き返された時に困ってしまいます。


そんな時、普段から友達や家族などと他己分析を行い「他者から見た自分」を認識していれば、その場で応対する際の引き出しが増えアウトプットがスムーズに進められます。他己分析は面接の対策にも繋がる“すぐれもの”ですね!


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③自己PRやガクチカの説得力が増す

就活では自己PRやガクチカをじっくりと考えます。この時、自己分析だけをもとにして伝えるよりも他己分析から得られた視点を織り交ぜた方が説得力が増すのです。


「自分の分析ではこういった強みがあるが、他者評価では少し違うらしい。両方の視点を参考にしながら自分の強みをアップデートしていきたい。」


などのように、客観的な情報を混ぜることで面接官の印象にもグッと残りやすくなるでしょう。


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④言語化が早く進む

他己分析では基本的に直接顔を合わせて、もしくはオンラインツールなどを用いて会話で行うことが多いです。その中で考えたこと・感じたことを即座に言語化し、互いに伝え合います。


そのため一人で考え事をするよりもアウトプット量が倍増するのは間違いありません。言葉でアウトプットすることにより頭の中は体系的に整理されていきますから、短い時間で大きなメリットを得られる手法と言えるでしょう。


他己分析のやり方①:質問項目を用意する



ここからは他己分析のやり方を、具体的に順を追って確認していきましょう!


まず初めにやるべきは「質問項目を用意する」こと。あらかじめ質問したい内容を書き出し用意しておくことは、聞きたい内容の抜けを防ぐだけでなく協力してもらう相手への礼節にも繋がります。以下にオススメの質問項目をリスト形式で紹介しますので、ぜひご活用ください!


<質問例>

  • どのような性格だと思いますか?
  • どんなときに楽しそうにし、どんなときにつまらなそうにしていますか?
  • 長所と短所を教えてください。
  • ここは尊敬しているというところはありますか?
  • ここだけは直してほしいというところはありますか?
  • 一言で表すとどんな人ですか?
  • あなたの友達に私のことを紹介してみてください。
  • グループの中で私はどのような立ち位置にいますか?
  • どんな仕事に向いていると思いますか?
  • 初めて会ったとき、どんな印象を受けましたか?
  • そこから今の印象は変わりましたか?

また、他己分析により得られた結果を「ジョハリの窓」を用いて整理するのもオススメです。これは自分自身について自分や相手が知っているかどうかを基準に分類する、心理学的な手法です。得られた結果をうまくまとめ、どんどん活用していきましょう!


  

自分が気づいている 自分が気づいていない
他人が気づいている <解放の窓> <盲点の窓>
他人が気づいていない <秘密の窓> <未知の窓>
(他己分析の場合、この領域に分類されることはない)


他己分析のやり方②:依頼する



質問項目を抽出できたら、次は他己分析をしてくれる協力者に依頼をしにいきましょう。ここで重要なのは誰に頼むべきかということ。家族や友達に頼むのか、それとも就活エージェントの意見を聞くべきか。以下の表でそれぞれのメリットとデメリットを簡単に確認したのち、それぞれのメリットについて詳しく深掘りしていきましょう。


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メリット デメリット
家族 自分のことをよく知っており、
批判的な意見もくれる。
価値観が近いことが多い。
他己分析ならではのメリットを享受しにくい。
友達・先輩 複数人に尋ねることができるため、
意見の比較ができる。
建前の意見であったり、
当たり障りのない分析をされてしまうことがある。
就活エージェント 第一印象に関する生の意見を聞ける。 初対面での話し合いとなることが多いため、
割り切った話まではしづらい。


家族⇒自己分析との整合性を見る


まず、自分をもっともよく知る親や兄弟などの家族に聞いてみると良いでしょう。一緒にいる時間が長ければ、それだけ素の自分を知られていることになります。特に短所や直した方がよい点に関しては、彼らの意見が参考になります。また、忘れている思い出や出来事などを教えてもらえるというメリットもあります。


一方で、家族に見せる顔しか知らないというデメリットがあります。大学やサークル、バイト先などのコミュニティにいるときの自分を知らないため、客観的に評価できなかったり、働く上での自身の性格の参考にならないケースがあるので注意が必要です。


友人・先輩⇒周りからの共通評価を知る


親しい友人や大学の先輩は近すぎず遠すぎない存在であるため、もっとも頼みやすい人たちかもしれません。複数の人に他己分析をしてもらうことで、自分の身の回りの人が自分のことをどのような性格だと思っているのか共通評価を知ることができるため、参考になるでしょう。


しかし、距離感によっては素直に思っている性格を伝えるのは難しいと感じる友人や先輩が居る可能性があります。特に弱みは、当たり障りのない回答をしているかもしれないので、全体の意見を比較しながら参考にしましょう。


他者から見た第一印象を見る⇒就活エージェント


初対面やそれに近い人に他己分析をお願いすることで、面接官に与える印象に近い回答を得ることができます。知り合って間もない人や就活エージェントなどが、相手として良いでしょう。特に就活エージェントであれば、印象だけでなく自己分析に活用できる視点から自分の特徴について教えてもらうことができるかもしれません。


一方で、面識が浅い相手のため、もっと知りたくても質問しづらかったり、遠慮が生まれてしまうかもしれません。質問以外で確認したい内容を面談前に考えておき、満足のいく他己分析の回答を得られるように準備しましょう。


依頼する相手が誰であれ、それぞれにメリットとデメリットが存在します。できるだけ上記で挙げた3種類、全ての方に依頼をすることで、バランスの良い他己分析を行えるようにしましょう。



他己分析のやり方③:進め方で注意したいポイント



ただやみくもに他己分析をお願いするだけではいけません。頭を使いながら効率的に、賢く行うことが日々忙しい就活生にとっては大切です。他己分析を進める中で注意したいポイントを4つ紹介いたします。


①親密度の異なる人にお願いする


親しい人から見た自分と、初対面での自分は違うかもしれません。家族だけ、親友だけではなく、色んな関係性の人に聞くと良いでしょう。先輩や後輩など年の違う人に聞いても面白いですし、先述のように就活エージェントを利用することもオススメです。


②質問項目は統一する


全員に違うことを聞いたら答えの比較ができません。同じ質問を複数人にして、傾向を捉えることが重要です。あらかじめ聞く質問はしっかり抽出しておき、比較できるように都度まとめましょう。


③必ず「なぜそう思ったか」を聞く


一問一答のように尋ねていくのではなく、「どのようなときそう思った?」「どういうところがそう感じさせる?」など、タイミングやそう感じさせたエピソードも確認するようにしましょう。自身の強みや弱みなどに関する客観的な視点からのエピソードを増やすことで、面接時の質問に回答する引き出しを増やすことができます。


④時期は早めに取り組む


他己分析の依頼は早めにすることが重要です。特に同学年に聞く場合、就活が本格化するとお互い忙しくて時間がとりにくくなります。直接聞く場合、ラインで聞く場合など状況は様々でしょう。しかし「明日面接なのに返信が来ない」となっては慌ててしまいます。


目安としては、大企業のエントリーが本格化する前に終わらせると安心です。(22卒の場合は3月より前)


他己分析のやり方④:自己分析を補完して活用する



他己分析の回答が集まったら、まずは結果を整理しましょう。


長所・短所・エピソードを項目別に分けてまとめ、回答者と自分との関係性も書いておきます。回答者と自分の関係性を書いておくことで、関係性が深い人と浅い人それぞれから見た自分の違いを理解しやすくなります。


回答の集計・整理が終わったら、自己分析の結果と照らし合わせ、両者の違いや共通点を見つけていきましょう。


自身の認識と第三者から見た自分とのギャップは、新たな自分への気づきであり視野が広がる可能性と捉えましょう。新たな強みを発見できたときは、どういった時にその強みが発揮できるのかを確認しておきましょう。一方で,指摘された内容によっては改善が必要なこともあります。たとえば、自己分析では「裏表なくはっきりしているタイプ」と思っていたのに、他己分析では「配慮が欠けた言動が見られる」という声があった時などです。実は自分としては強みと思っている点でも、弱みとなる点が潜んでいることがあります。こういった時は、日々のコミュニケーションだけでなく、面接などの場でも注意するよう心がけましょう。


共通点は自分を表わす特徴として信頼性が高いものと考えられるので、自信を持ってアピールしていきましょう。また、評価が一致している点が多ければ、「自身を客観視できる」という強みにもなりうるでしょう。


他己分析により自分だけでは気が付かなかった価値観や視点を得られたら、早速就活対策に活かしていきましょう。このとき、自己分析での視点を補う形で他己分析を活用するのがオススメです。それぞれの対策ごとに活用のポイントを紹介します!


自己PRの強化


自己分析を元に「私は〜な性格です」「私は〜が強みです」とアピールすることがあるでしょう。その際に「私は〜な性格です。実際に部活の友人から〇〇だと言われ、その性格を表すエピソードとして△△たことがあります。」と言うことで、一気に具体性が増します。


他己分析で得られた視点を織り交ぜることで、自己分析の結果に客観性や根拠をプラスすることができます。結果として、より説得力のある自己PRに繋がります。


業界・企業選びに活用


自分の強みや性格が自己分析ではっきり分かれば良いのですが、主観的な自己分析では確信が持てないことも多々あります。そんなときに他己分析でも同じような結果が出れば自信がつくのではないでしょうか。特に、一緒に働いているバイト先の仲間や先輩などからの分析結果であれば、実際に企業で働くときの自分のイメージに近いかもしれません。


また、分析結果を元に向いている業界や企業を選べば、「入社したら雰囲気や働き方が自分に合わなかった」といったミスマッチを防ぐことも可能です。業界ごとの特徴や企業風土は、書籍や就活エージェントで手に入るため、自己分析・他己分析の結果を見ながら第一志望を選ぶことをおすすめします。



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面接での第一印象を対策する


面接は短時間で勝負が決まるため、第一印象が大切です。そのため、他己分析では第一印象を聞くことを推奨しています。得られた答えによって「面接ではもう少し〇〇にしてみよう」など対策に活かすことができるからです。


特に、第一印象と企業が求めている人材の印象が異なる場合は注意が必要です。たとえば、他己分析の初対面の印象が「無口でおとなしい」と思われる一方、志望している業種は営業のためエネルギッシュな人材が求められる場合、「無口でおとなしい」印象のまま面接を受けてしまうと、マイナスの印象となってしまう可能性があります。事前に他己分析を行っていれば、面接の際の面接官へのイメージを変えるよう工夫することができます。


このように他己分析で得られた視点はすぐにでも選考対策に活かすことが可能です。ぜひ有効活用してください。


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まとめ



自己分析と比べると他己分析はマイナーな印象がありますが、じつは自己分析とセットで考えても良いほど重要なものです。面接前の企業選びから、面接中の自己PRや印象対策まで、他己分析を行うことで有利に選考を進めることができます。


今まで他己分析を行っていなかった人もぜひトライしてみてくださいね!


・他己分析は自分の盲点に気づくための有効な手段
・質問項目は全員一緒、具体的に聞く
・複数人に聞き、新密度はバラバラだとより良い


また、就活エージェントなど初対面の人に印象を聞くことで、「面接官があなたに抱く印象」を予測することができます。筆者のように、友人には活発な人だと思われていても第一印象は違うかもしれません。あらかじめ知ることで「もっと大きな声で話そう」など対策を考えることが大切です。


私たちJobSpringでは無料カウンセリングで自己分析のお手伝いをしていますが、その際にこちらから見た皆さんの印象をお伝えして他己分析を行うこともできます。日常生活では初対面の人に「私の第一印象どう?」なんてなかなか聞きにくいですが、就活慣れしているエージェントには安心して何でも質問してください。


その他にも面接練習などさまざまなコンテンツを提供しているので、困ったことがあればいつでも面談にいらしてくださいね。一緒に解決しましょう!


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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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