ベンチャー企業の定義とは?就活で知っておきたいメリットとデメリットを解説

CONTENTS

ベンチャー企業とは?

ベンチャー企業の明確な定義はない

規模感は多種多様

中小企業との違いは?

メガベンチャーやスタートアップとの違いは?

メガベンチャー

スタートアップ

新卒としてベンチャー企業で働くメリット

①裁量権が大きく、実務経験を早く積める

②経営者と近い距離で働ける

③成果主義の傾向があり、成果に応じた報酬がある

新卒としてベンチャー企業で働くデメリット

①スキル不足を時間でカバーせざるを得ない

②転職で有利な肩書は期待できない

③給与が低いと生活面を工夫する必要がある

ベンチャー企業の探し方

ベンチャー企業を選ぶ際の注意点

事業の段階を確認しよう

その企業のビジネスモデルや競合を理解しよう

企業規模と自分のキャリアプランを検討

まとめ

「ベンチャー企業の定義は何か?」と聞かれてすぐに答えられる人はあまりいません。というのもそのはず、ベンチャー企業とは明確な基準で定義されたものでは無いのです。


では何をもって「ベンチャー企業」と呼んでいるのか、そもそもベンチャー企業ってどんなことをしているんだろう…


今回の記事ではそんなベンチャー企業の特徴と、就活で知っておきたいメリット・デメリットについて紹介いたします。


ベンチャー企業への就活を考えている人は必見の内容ですよ!


ベンチャー企業とは?



そもそもベンチャー企業とは、どのような企業を指すのでしょうか。


ventureとは英語で「冒険」を表す言葉です。つまりベンチャー企業とは「大企業が手を出したがらないような冒険的な事業に挑戦する企業」と言えるでしょう。


ですがその明確な定義は、はっきりとしていません。


ベンチャー企業の明確な定義はない

先述のようにベンチャー企業とは「大企業が手を出したがらないような冒険的な事業に挑戦する企業」です。しかし、設立年数や会社規模といった正確な指標はないため判断は曖昧とされています。


例えばPayPay株式会社のような、設立年数が5年以内の企業を一律にベンチャー企業と名付ける人もいれば、Apple inc.や楽天株式会社のような、冒険的・革新的な事業を行う企業であれば設立年数に関係なくベンチャーだと主張する声もみられるのが事実です。


規模感は多種多様

正社員が5〜6人という規模から数千人規模までさまざまなサイズ感の企業があります。起業時は少ない人数だったのが事業の成長と共に増え、サイバーエージェントやネオキャリアのような大企業へと変容していく例も多いようです。


このような、数人規模のベンチャーから始まり大企業へと変わっていった企業のことをメガベンチャーと呼びます。


中小企業との違いは?

中小企業は規模で定義された企業のくくりです。中小企業関連立法で定義がなされており、該当する場合はベンチャーであっても中小企業と呼べます。


メガベンチャーやスタートアップとの違いは?



ベンチャーと一言でいっても、その規模感や企業自体のフェーズは様々です。特に事業を始めたてのスタートアップ企業と先述のメガベンチャーでは、仕事内容や福利厚生も大きく異なるでしょう。


ここではメガベンチャーとスタートアップ企業の大まかな違いを紹介します。


  
名前 メガベンチャー スタートアップ
規模感 社員数が数千人と多い 社員数が数人~数百人と小規模
特徴 ・ベンチャー企業が成功した姿
・比較的安定
・福利厚生も充実
・奇抜なビジネスモデルで改革的な事業を構想
・大規模な初期投資
・短期間に急成長を狙う
具体例 DeNA
サイバーエージェント
リクルート、など
メルカリ
グノシー
Origami、など

メガベンチャー

メガベンチャーといっても、ベンチャー企業と同様その定義は曖昧なものです。とりわけビジネス書などでこの言葉が使われるようになり、「大規模な企業へと成長したベンチャー企業」と認識されるようになりました。


法的な定義こそありませんが一般に、


  • ・上場している
  • ・社員数が1000人を超えている

ことがある程度の基準と考えられているようです。


スタートアップ

スタートアップも法的に明確な定義は存在しません。アメリカニューヨーク発のユニコーン企業であるWarby ParkerのCEO、ニール・ブルーメンソール(Neil Blumenthal)によれば、「スタートアップとは、解決策が明白でなく、成功が保証されていない問題の解決に取り組む企業のこと」と定義されています。


ここで「ユニコーン企業」という言葉が出てきました。これも確認しておきましょう。


ユニコーン企業とは「企業価値の評価額が10億ドル(1,100億円程度)以上」であり、「設立から10年以内」、かつ「非上場」の企業であると言われています。かつてのFacebook社やTwitter社、日本では株式会社Preferred Networksなどがこれにあたり、国内ではまだまだ少ないのが現状です。


上場前のメルカリは日本でも有名なユニコーン企業として名を馳せていました。


参考:Forbes "What Is A Startup?" https://www.forbes.com/sites/natalierobehmed/2013/12/16/what-is-a-startup/#6a5bf4cb4044

新卒としてベンチャー企業で働くメリット



このようにベンチャー企業について説明してきましたが、学生上がりの新卒がベンチャー企業で働くことのメリットは主に、


  • ①裁量権が大きく、実務経験を早く積める
  • ②経営者と近い距離で働ける
  • ③成果主義の傾向があり、成果に応じた報酬がある

の3点が挙げられます。以下で詳しくみていきましょう。


①裁量権が大きく、実務経験を早く積める

従業員が少ないということと、他社に対抗するための新しいアイデアを取り入れる風潮から一人ひとりの裁量の幅が広いです。


「裁量権」とは「自分で決める権利」のこと。つまり一人ひとりの裁量権が大きい企業では社員の各々が企画立案や経営に近く携われるということです。


例えば、大手企業一年目で任される業務が基本的な営業や事務作業が多いのに対し、ベンチャーでは新規ビジネス立案、交渉幅の広い営業、人事業務などに携わることができます。


早いスキルアップを求める人にはぴったりの職場です。


②経営者と近い距離で働ける

小規模な組織構造上、経営者との距離が近くなります。これは大企業ではなかなか実現が難しいでしょう。距離が近いということは以下のような利点があります。


  • ・風通しの良さ
  • ・経営ノウハウの獲得チャンス
  • ・経営層へのアピール

>風通しのよさ

自由に意見が言える社風であることが多く、風通しも良いため会社に対する不満やストレスが大幅に軽減されます。規模の大きい会社だと、末端の動きが経営側から見づらかったり、取り組みに時間がかかったりとどうしても意見が反映されにくくなります。


>経営ノウハウの獲得チャンス

また経営者と直に話すことで様々なノウハウを学ぶこともできます。例えば、自分の売上がどれだけ企業経営に貢献していて、利益を継続的に生み出すためにどのような戦略を練る必要があるのかなど先見性を磨くことができます。


将来的に独立を考えている人にとっては特に嬉しいメリットです。


>経営層へのアピール

規模にもよりますが、小人数のベンチャーだと大手ではありえない早さで昇格していきます。企業の成長が順調でタイミングが良ければ、役職につき給料も圧倒的に高いなんてことも夢ではありません。


③成果主義の傾向があり、成果に応じた報酬がある

ベンチャーでは短期間で成長することが必要なため、売り上げや利益が従業員一人ひとりの能力にかかっています。そのため成果を上げた人には、対価としてのインセンティブがもらえることも多いです。頑張って成果を出した分だけ見返りがある場所で働きたい人にはピッタリですね!


成果主義を導入している企業はベンチャーだけでなく、外資系企業にもみられます。能力や結果次第で自分のキャリアを有利に進めたいという人にはぴったりです。


とはいえ当然、これは企業や職種によりけり。インセンティブをどれだけ設けているか、入社前にしっかりと調べておくことが大切です。


【就活】外資系って何?簡単でわかりやすく解説します!

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新卒としてベンチャー企業で働くデメリット



新卒がベンチャーで働くことはメリットばかりでもありません。主に、


  • ①スキル不足を時間でカバーせざるを得ない
  • ②転職で有利な肩書きは期待できない
  • ③給与が低いと生活面を工夫する必要がある

の3つのデメリットが挙げられます。こちらも以下で詳しくみていきましょう。


①スキル不足を時間でカバーせざるを得ない

メリットの①で紹介したように、ベンチャー企業の多くは新卒であれ大きな裁量権を与えます。しかしこれは裏を返せば、求められる仕事レベルが高く未経験者にはハードルが高いことも意味します。


能力が身につくまでは多大な時間を費やす必要もあり、研修も充実していないような企業では残業が続く日もあり、苦労している人も多いようです。


※もちろん、研修が充実していて与えられる仕事もレベルを段階的に設定しているベンチャー企業もあるので一概には言えません。


②転職で有利な肩書は期待できない

もし仮に会社が倒産してしまったり、もしくは自分の体質に合わないと感じ転職を考えた際、有利な肩書きはあまり期待できません。


転職の際、有名企業であればその実績や実力派言わずもがな理解してもらえますが、名もなきベンチャー企業出身では実績を具体的な数値やデータで示す必要があります。


ベンチャー企業経由で転職を考えている人は、早いうちから自分の実績を示す具体的な数値やデータに敏感になっておくことが大切かもしれません。


③給与が低いと生活面を工夫する必要がある

ベンチャー企業によっては給与があまり見込めず、さらに新卒ともなれば低い給与でやりくりしていかなければならない可能性もあります。また大企業とは異なり、給与の低さをカバーできるような福利厚生も期待できない場合があり、金銭的にも精神的にもキツさを感じる人もいるようです。


とはいえこれも企業や職種によりけりです。メリットの③で紹介したように、成果に対するインセンティブを設けているベンチャー企業も多く、また安定期に入ったベンチャー企業では福利厚生もしっかりと敷設されていることが多いようです。


ベンチャー企業の探し方



「ベンチャー企業の魅力はわかったけど、実際にはどうやって探せばいいんだろう…」ベンチャー企業を志望する学生はその探し方で躓くことが多いようです。ここではベンチャー企業を探す際オススメのツールを紹介していきます。


Wantedly:月間200万人が利用するビジネスSNSです。掲載料が安価なため、大手の求人サイトには載らないような中小のベンチャー企業やスタートアップの求人が豊富にみられるのが特徴です。コスパ良く学生にアプローチをかけており、ベンチャー企業を探す学生にぴったりです。


Goodfind:ベンチャー企業の中でも特に高い志を持って仕事がしたい人向けの求人を掲載しています。また求人情報だけでなく、グループディスカッションや自己分析のイベントも掲載しており、利用幅が大きいのも特徴です。


就活エージェント:就活エージェントとはいわゆる就活サポートのプロ。皆さん一人ひとりに合わせた就活サポートを行うため自分にあった職種を探しやすいだけでなく、企業からの求人を持っていることもあるためそのまま紹介することも可能です。


ベンチャー企業の求人を探していると、本当に自分にあった企業はどんな企業なのだろうと疑問に思えてくることもあるでしょう。そんな時は焦らずに自己分析をしたり、じっくりと企業研究を行うことが大切です。以下のページでは自己分析や企業研究の方法をわかりやすく紹介しています。合わせてご覧ください。


「後悔しない就活」を実現するためのオススメ自己分析のやり方

【テンプレート付き】アウトプットがはかどる企業研究のやり方


ベンチャー企業を選ぶ際の注意点



これまでに述べたように、ベンチャー企業で働くことはメリットもデメリットも大きいものです。特に成長途中の企業であれば企業自体が軌道に乗るかどうかもわかりませんし、スキルや給与、福利厚生といった自分の受ける恩恵が自分の将来にも大きく関わってきます。


そのためベンチャー企業を志望する際、企業研究はいつも以上に行わなくてはなりません。具体的にはどのような点に注意して企業研究を行えば良いのでしょうか。


事業の段階を確認しよう

同じベンチャーでもその企業のビジネスの進み具合(事業のフェーズと言います)は異なります。


  • ・システムや商品の状況はどんなか(試作中や本運用中か)
  • ・顧客の規模はどれだけか

などから成長可能性があるのかを自分なりに勉強してみることも大切です。


その企業のビジネスモデルや競合を理解しよう

ベンチャー企業を視野に入れる際は特に、ビジネスモデルについても考える必要があります。ビジネスモデルを把握しなければ、その企業が利益を得る経緯を理解することができません。


ビジネスモデル自体を競合他社と比較して分析することで、企業の将来性をも想像することができるようになるため、大切な視点です。


企業規模と自分のキャリアプランを検討

人数規模によってビジネス自体も業務内容も変わります。当然ビジネスや業務内容が変われば、自分の将来にも影響を与えるでしょう。


自分がベンチャーで何をしたいのかを第一に考えましょう。会社が成長する流れに関わりたいのであれば、設立間もない企業を見るのが良いかもしれません。


【ES・面接でも有効!】就活におけるキャリアプランの考え方と回答例


まとめ



今回の記事ではベンチャー企業の特徴とメリット・デメリットについて紹介しました。簡単に記事全体をおさらいしてみましょう。


  • ✔ ベンチャー企業とは「大企業が手を出したがらないような冒険的な事業に挑戦する企業」
  • ✔ ベンチャーといっても、メガベンチャーやスタートアップなどもあり区別が必要
  • ✔ 新卒としてベンチャー企業で働くことはメリットもデメリットも大きい
  • ✔ ベンチャー企業を探す際は特に企業研究により注力することが大切

ベンチャー企業の特性を簡単に表すと「激動」です。その中にはわくわくすることもあれば、大変な苦労も含まれます。


これらを踏まえて皆さんが検討するべきなのは「仕事や条件を見て、自分自身がやる気を感じるかどうか」です。


ベンチャー企業の仕事環境は合う人にとっては最高ですが、合わない人も確かにいるでしょう。自分の実力を試したいと思っていたり、将来起業を目指すのであればベンチャー企業はおすすめできる環境です。


また、JobSpringでは一人ひとりとの面談を通して自己分析や面接対策をサポートしています。さらに私たちは皆さんの適性や性格から、企業のマッチングも行っています。ベンチャー企業に興味がある就活生はぜひ一度面談にいらしてください。皆さん一人ひとりが納得のいく就活ができるように全力で支えます!


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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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