【例文つき】ひとつの自己PRを200字/400字/800字でまとめるポイント
面接
CONTENTS
前提:「自己PR=長所」ではない
自己PRが伝わる基本構成は「PREP」
①POINT(結論)
②REASON(根拠・理由)
③EXAMPLE(具体例)
④POINT(まとめ)
【例文つき】自己を200文字でまとめるポイント
①一番アピールしたいことを先に書く
②理由とエピソードについて箇条書き形式で書き出す
③アピール内容を支える情報を選択しまとめる
④不要な言葉や文章をそぎ落としていく
【例文つき】自己を400文字でまとめるポイント
①エピソードで伝えたいことを充実させる
②最後のまとめを深掘りする
【例文つき】自己を800文字でまとめるポイント
①自己PRの理由について深掘りする
②エピソードがより伝わる前提情報を加える
そもそも自己PRが思いつかない場合は?
まとめ
就活で定番の「自己PR」。伝える内容の自由度が高く、「何を書いていいのかわからない…」と戸惑ってしまいますよね。企業によって指定の字数も異なり、試行錯誤を重ねているうちに書くべきこと・書かなくてもよいことが曖昧になっているかもしれません。
この記事では、一つの自己PRを200字/400字/800字でまとめるポイントを解説します。メモ用紙を準備して、記事を読みながら自己PRを作成してみましょう!
自己PRの要素を考えたい、面接での話し方について知りたいという方は以下の記事で詳しく説明しているのでこちらもチェックしてください!
【例文つき】相手を納得させる自己PRの書き方や考え方のポイント
前提:「自己PR=長所」ではない
PRとは広報のことです。自己PRは、自分を売り込むために企業へ行う広報活動と言えます。
自己PRは、必ずしも長所を指すわけではありません。自己PRには長所を含む、または「自己PR≒長所」と考えるのがよいでしょう。自己PRには長所を書くこともできますが、自分のスキルや性格、今後の目標や他者からの評価を書くのにも適しています。
転職活動の場合は、前職で身に付けた業務スキルが大きな自己PRポイントになりますが、新卒ではポテンシャル採用の影響もあり、性格そのものもアピールポイントになり得ます。
自己PRが伝わる基本構成は「PREP」
PREP法とは、論理的に文章を構成するために用いられるフレームワークの一つです。要点を端的にまとめることができ、自己PRを作成するのに適しています。
①POINT(結論)、②REASON(根拠・理由)、③EXAMPLE(具体例)、④POINT(まとめ)をぞれぞれ書き出し、全体をまとめて整理すると自己PRの完成です。
自己PRの題材が決まっている人は、以下の4つのポイントに合わせて内容を書き出してみてください!まずはエピソードを箇条書きしてみるのもおすすめです。
①POINT(結論)
ここでは、伝えたいことを一言で述べます。「結局何が言いたいのか?」という結論を簡潔に書きましょう。話のはじまり・序論ではないので注意が必要です。
自己PRでは、「私は協調性のある人間です。」「私は気配りが得意です。」など、自分の特徴を一文目に書くとよいでしょう。
例)私は何事にも積極的に取り組みます。
②REASON(根拠・理由)
「結果」で説明した情報に。根拠を付け加えます。自分のその特徴はこれまでのどのような場面で生かせたか、どのような経験があったからそう言えるのかを書いてみましょう。エピソードの概要と考えるとわかりやすいかもしれません。
例)ケーキ屋のアルバイトでは、「お客様に自らお声がけをすること」「おすすめした商品をご購入いただくこと」の2点を目標として、店舗売上に貢献しました。
③EXAMPLE(具体例)
ここでは、エピソードの詳細を述べます。②で述べた根拠・理由をさらに具体化するイメージです。
例)まずはお客様のニーズを聞き出し、自作の商品情報ノートと照らし合わせてニーズに合った商品をご紹介することで、より多くの方にご購入いただけるようになりました。
④POINT(まとめ)
もう一度結論を書きます。①と内容は同じでも、言葉を変えて書くとよいでしょう。その資質が仕事とどう繋がるか、今後の目標などを書くのもよいです。
例)貴社でもこの積極性を生かし、課題に前向きに取り組んでまいります。
【例文つき】自己を200文字でまとめるポイント
200字の自己PRは、「要点を簡潔に」が重要です。一文は長くなりすぎないよう、50字前後でまとめましょう。字数は、指定の8割を満たすようにします。文体は「です・ます調」、「だ・である調」どちらでも問題ありません。
200字は意外と短いため、情報を削る作業が必須です。その際、必要事項を削り落とさないように注意してください。
面接で自己PRをする際には、この200字で作成したものを参考に、30秒~1分(150~300字)程度で話せるように練習しておくとよいでしょう。
先ほど、PREP法の解説時に例文として挙げたものをまとめると、以下のような200字の自己PRが完成します。
<例文>
私は何事にも積極的に取り組みます。
ケーキ屋のアルバイトでは、「お客様に自らお声がけをすること」「おすすめした商品をご購入いただくこと」の2点を目標として、店舗売上に貢献しました。まずはお客様のニーズを聞き出し、自作の商品情報ノートと照らし合わせてニーズに合った商品をご紹介することで、より多くの方にご購入いただけるようになりました。
貴社でもこの積極性を生かし、課題に前向きに取り組んでまいります。(198字)
①一番アピールしたいことを先に書く
200字の自己PRに欠かせないのは、自分のアピールポイントです。これがなければ自己PRとして成り立ちません。アピールポイントは、自己分析の結果や企業が求める人物像をもとに決定するのがよいでしょう。
自分の特徴はいくつか挙げられるかもしれませんが、一つの自己PRにつき一つのアピールポイントについて書くのがおすすめです。特に、200字の自己PRの場合は字数が少ないため、一番アピールしたいことを確実に伝えられるよう意識しましょう。
②理由とエピソードについて箇条書き形式で書き出す
PREPの②REASONと③EXAMPLEにあたる部分です。自分のアピールポイントが生かせたエピソードを簡単に挙げてみましょう。まずは情報を取捨選択せずに、書けるものを全て書き出してみてください。
理由とエピソードが思い出せないときには、マインドマップを使ってみるのもおすすめです。一つのキーワードから想像を膨らませ、出来事をつなげてみましょう。
③アピール内容を支える情報を選択しまとめる
②で挙げた理由とエピソードから、PREPの②REASONと③EXAMPLEに当てはまるものをまとめてみましょう。このとき、①POINT(一番アピールしたいこと)との関連性を忘れないようにしてください。
200字の自己PRでは字数が足りないため、PREPの②REASONと③EXAMPLEをまとめて書くことも多いです。内容や字数に合わせて調整しましょう。
④不要な言葉や文章をそぎ落としていく
最後に、字数を整えます。200字の自己PRの場合、エピソードの細かすぎる内容や結果までの長いプロセス、アピールするに至る理由などは削除してしまって問題ありません。自分以外の人の考えや行動も、削除できるものが多いです。
また、「のように」「という」「ことができる」など、字数を要する言葉は必要最低限に抑えましょう。それでも字数が多くなってしまうときには、要らない形容詞がないか・言いかえられる言葉はないかを探してみてください。
【例文つき】自己を400文字でまとめるポイント
続いて、400字の自己PRです。こちらは、200字の自己PRをもとに、要素を付けたしながら作成してみましょう。
同じエピソードを異なる字数で書く場合、少ない字数のものから増やしていく方法と、始めにできるだけ多くのことを書いて削っていく方法とがあります。自分がやりやすいほうで作成してかまいませんが、後者の場合は、必要な情報をそぎ落として文章の流れが乱れてしまわないよう気を付けましょう。
<例文>
私は何事にも積極的に取り組みます。アルバイトでは、お客様に積極的なアプローチを行い、店舗の売上に貢献することができました。
アルバイト先のケーキ屋で売上が落ちていた際には、「お客様に自らお声がけをすること」「おすすめした商品をご購入いただくこと」の2点を常に意識して、店舗売上が挽回できるよう取り組みました。
以前は、「商品知識の未熟さへの不安」からお客様に積極的なお声がけできていませんでした。しかし、商品情報をまとめたノートを自ら作ることで、自信をもって商品をおすすめできるようになりました。その結果、お客様に商品をご購入いただくことが増え、社員には「売上が回復しつつあるのはあなたのおかげだよ」と言っていただけました。
2か月後の店舗売上は前年比1.2倍となり、何とか困難を乗り越えることができました。貴社へ入社後も「自分から一歩踏み出すこと」を大切にして、課題に前向きに取り組んでまいります。(395字)
①エピソードで伝えたいことを充実させる
400字の自己PRでは、200字のものよりもエピソードの詳細が書けます。結果だけでなくそのプロセスも入れることができるため、その行動をした理由や思い通りにいかなかった点についても書いてみましょう。
また、具体的な数字や、他者の評価なども加えるとより伝わる自己PRが完成します。先ほどPREPの②REASON・③EXAMPLEで挙げたエピソードの箇条書きを見直し、アピールポイントの裏付けとなるものを探してみてください。
②最後のまとめを深掘りする
PREPの④POINT(まとめ)の深掘りもしてみましょう。読み手が入社後のイメージをしやすくなるよう、企業の具体的な仕事や自分のキャリアプランをもとに、この先の自分の活かし方も書いてみるとさらに良くなります。
【例文つき】自己を800文字でまとめるポイント
800字の自己PRも、400字の自己PRを参考にしながら書いてみましょう。800字と聞くと少し長く感じてしまいますが、こちらのほうが自分のアピールポイントをしっかりと伝えることができます。
始めと終わりで伝えたいことが変わってしまわないよう、始めの①POINT(結論)と終わりの④POINT(まとめ)を最初に書いてみるのもおすすめです。
<例文>
私は何事にも積極的に取り組みます。アルバイトでは、お客様に積極的なアプローチを行い、店舗の売上に貢献することができました。
アルバイト先のケーキ屋では、前年と比較して売上が約20%落ちていました。それを挽回するために全体ミーティングを行った際、「お客様へのアプローチ不足」が問題だと明らかになりました。店舗全体での目標は「お客様とコンタクトをとる回数を増やすこと」となり、私はそれに伴って個人目標を2つ立てました。一つ目は「一回の出勤に付き10人以上のお客様に自らお声がけをすること」、二つ目は「おすすめした商品を購入していただくこと」でした。
それまでの私は緊張してしまい、自らお客様に話しかけることができませんでした。原因は、「商品知識の未熟さへの不安」にありました。そこで、まずは商品情報の収集から始めました。社員や他のアルバイトに商品について尋ねるほか、インターネット上の口コミも参考にして、そのケーキの味や対象、その他の特徴を詳しくノートにまとめました。ときには自ら商品を購入することで、より具体的な特徴を書き出しました。
商品知識を増強することで、自信をもってお客様にお声がけできるようになりました。「何かお探しですか?」「いつでもお尋ねください」と声をかけ、お客様も私に話しかけやすい雰囲気づくりに徹しました。お客様のニーズを聞き出し、集めた情報と照らし合わせて商品をご紹介することで、より多くの方にご購入いただけるようになりました。社員にも「あなたが一番売り上げに貢献してくれている」と言っていただけました。
2か月後の店舗売上は前年比1.2倍となり、何とか困難を乗り越えることができました。私はこの経験から「自分から一歩踏み出す大切さ」を学び、自ら積極的に行動することで、状況を大きく動かせたことが自信となりました。貴社でもこの積極性を生かし、課題に前向きに取り組んでまいります。(790字)
①自己PRの理由について深掘りする
なぜそのアピールポイントを選んだのか、影響を受けた出来事を思い出してみてください。また、企業の求める人物像と自分のアピールポイントとの共通点を見つけ、④POINT(まとめ)を充実させてみるのもよいでしょう。企業研究や自己分析もしっかりと行うことが大切です。
②エピソードがより伝わる前提情報を加える
自分の経験を読み手に追体験してもらえるよう、過去の出来事を取り入れることや、周りの人に言われたことを加えるのもおすすめです。特にPREPの②REASON、③EXAMPLEは、エピソードが想像できるよう出来事を事細かに書き出してみましょう。そのとき自分が感じたこと・考えたことを書き加えると、読み手も想像しやすくなります。
そもそも自己PRが思いつかない場合は?
ここまで自己PRの書き方を解説しましたが、自分のアピールポイントやそれを裏付けるエピソードが思い浮かばない場合は、改めて自己分析を行ってみましょう。
自分のアピールポイントから探すのではなく、過去のエピソードをいくつも挙げてから、共通する強みを探してみると上手くいくかもしれません。以下の記事では自己分析のやり方を解説しています。自己PRの作成が進まないときには、この記事を参考に再度自己分析を行ってみましょう。
また、自己分析を行ったうえで、「自分の良いところが見つからない…」と悩んでいる人は、以下の記事も参考にしてみてください。長所と短所は表裏一体であることも多く、視点を変えてみるとすぐに長所が見つけられることもあります。
まとめ
自己PRのまとめ方を解説しました。さまざまな企業の選考に対応できるよう、字数のパターンは複数用意しておきましょう!自己PR作成の際には、下記の3点を意識してみてください。
・P(結論)→R(根拠・理由)→E(具体例)→P(まとめ)の流れで構成する。
・指定の字数が少ない場合は、要点を簡潔に述べる
・指定の字数が多い場合は、エピソードの前提情報を加え、アピールポイントの裏付けを強化する
思い通りに進まないときは、自己分析や企業研究を行い、情報を一度整理してみましょう。
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