【新卒:業界研究】介護業界の特徴|ビジネスモデルから仕事内容まで一挙解説

CONTENTS

介護業界とは?

介護業界のビジネスモデルについて

介護サービスの種類

介護業界は人手不足と言われてるけど本当?

要因①:少子高齢化に伴う需要と供給のアンバランス

要因②:体力的・精神的にきついというマイナスイメージ

要因③:他業界と比較して給与が低い傾向

【売上ランキング】介護業界の主要企業

ニチイ学館

SOMPOケア(SOMPOホールディングス)

ベネッセスタイルケア(ベネッセホールディングス)

介護業界における特徴的な職種と業務

介護職員

ケアマネージャー(介護支援専門員)

生活相談員

キッチンスタッフ(栄養士)

まとめ

  • 「高齢化が進んで介護の需要が高まってるらしいけど、どれほどなんだろう?」
  • 「そもそも介護って、民間の企業がおこなったりするのかな?」

皆さんは介護業界と聞いてどのような印象を受けますか?「介護は家族が行うもの」「自治体が行うもの」などの印象を受けがちですが、民間の企業が介入する介護事業もたくさんあるのです。


今回の記事ではそんな介護業界の特徴についてお伝えしていきます。

  • ・介護業界ってどんな業界?
  • ・人手不足なのは本当なの?理由は?
  • ・どんな企業が力を持っているの?

といった質問にお答えできる記事となっています。介護業界の就職を考えている人は、是非最後までご覧ください。


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介護業界とは?



福祉や社会貢献といった印象の強い介護職ですが、業界としてはどのような特徴を持っているのでしょうか。


超高齢化社会がすすむ現代の日本において、高齢者数の急増とともに要介護認定を受けている高齢者の人数も年々増しています。これに伴い介護業界の需要も高まっており、成長が期待される業界の一つとして認識されているようです。


SMBCの調査によると、高齢者人口が減少を始める2040年まではこの傾向が続くと考えられており、需要は拡大を続けます。では、介護業界は具体的にどのようなビジネスモデルのもとで、どのようなサービスを提供しているのでしょうか?


介護業界のビジネスモデルについて

介護業界のビジネスモデルは他業界と比べると大変特殊です。業界に対して行政が大きく影響しており、収益構造にも介護保険や給付金などが必ず関わってきます。


そもそも介護業界における報酬(介護報酬といいます)は、利用者と行政の両方から支払われます。要介護認定をうけた利用者(被保険者といいます)は介護事業者の提供するサービスに対して、その対価の一部(原則として1割)を支払うだけで良いのです。残りの大半の介護報酬は行政(保険者といいます)から支払われます。


そのため介護報酬は法律に基づいた判断のもと、サービスの内容ごとに厚生労働大臣が決めるもの。業界内での差別化が他業界に比べて図りにくいのも特徴と言えるでしょう。


介護サービスの種類

介護業界ではその介護報酬がサービスごとに決められているとのことでしたが、では介護サービスにはどのような種類があるのでしょうか?


介護サービスの中には、介護保険が適用されるサービスとされないサービスがあります。また民間企業の参入が許されているかどうかもサービスにより異なるのが実態です。一覧にして見たのち、介護保険が適用されかつ民間企業の参入が許されているサービスについて詳しく見ていきましょう。


  

民間企業の参入可 民間企業の参入不可
介護保険が適用 ・デイサービス
・訪問介護
・介護付き有料老人ホーム
・特別養護老人ホーム
・介護老人保険施設
・デイケア
・介護医療院
介護保険が非適用 ・住宅型の有料老人ホーム
・サービス付高齢者向け住宅(サ高住)


デイサービス:要介護認定を受けた方が日常生活を自力で続けられることを目的として、機能訓練や他者との交流を行うサービス施設です。在宅で利用する介護サービスの中で最も利用されています(週に数日、自宅から通いながら利用するため「通所介護」といわれています)。


訪問介護:ホームヘルパーが利用者の自宅に直接訪問し、生活の援助を行うサービスです。ホームヘルパーの方は介護福祉士などの資格を有している必要があります。


介護付き有料老人ホーム:自治体の認可のもと運営される有料の老人ホームです。主に民間の企業が運営しており、入居金も無料の施設から数億円かかる施設まで様々みられます。


介護業界は人手不足と言われてるけど本当?



介護業界に進もうと考えている就活生の多くが不安要素として抱いているのは、「介護業界は人手不足なのではないか」ということ。確かに介護業界では人手不足が常に叫ばれています。


公益財団法人介護労働安定センターの調べによれば、令和元年時点で人材不足を感じている介護サービス従事者は実に65.3%。およそ3分の2の従事者が不足を実感しています。なぜ介護業界はこのような現状を突きつけられているのでしょうか?その要因について詳しくみていきましょう。


また介護業界の現状と今後の課題に関しては以下の記事で深掘りしているので、あわせてご覧ください。


【新卒:業界研究】介護業界の現状と今後の課題についてまとめて解説


要因①:少子高齢化に伴う需要と供給のアンバランス

要因のひとつ目として挙げられるのは、高騰する需要に対して供給が間に合っていないというもの。2019年時点での65歳以上高齢者数は推計で3588万人といわれています。総人口に占める割合は28.4%。医療の発展に伴い人生100年時代となる今、高齢者の割合は今後さらに増え続けることが予測されています。


厚労省はこれに対応するための介護人材の確保は、2025年までに総計254万人の需要があると発表しています。ですが現状、2020年での介護人材は200万人程度。需要と供給はいまだアンバランスなままです。


要因②:体力的・精神的にきついというマイナスイメージ

介護業務自体のイメージにからくる供給の不足も要因の一つとして挙げられます。介護業務は体力的にも精神的にもきついものだというイメージが浸透してしまっているのです。


実際、その通りなのかもしれません。公益財団法人介護労働安定センターの調べによると、介護従事者のうち体力や持病などから身体的な負担を感じている従事者は全体のおよそ30%。3人に1人の割合で身体的な負担を感じていることもあり、マイナスイメージの払拭はまだまだ難しいものかもしれません。


要因③:他業界と比較して給与が低い傾向

さらに決定的な要因として、他業界に比べると仕事の内容がハードな割に給与が見合わないという特徴が挙げられます。なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか?


先ほども述べたように、介護報酬はサービス内容に併せて行政が設定しています。サービスに対する価格設定の上限はすでに決められており、提供できるサービスも利用者の要介護度に依存するため収益を上げることが極めて困難なのです。


毎年介護報酬の改定が為されてはいますが、介護従事者の給与に大きな影響を与えるほどの改定はされていません。仕事内容に見合わない給与体系が人材の供給をさらに不足させているのでしょう。


【売上ランキング】介護業界の主要企業



ここまで介護業界の概要と現状についてまとめてきました。では実際に介護業界で主要な立ち位置にいる企業にはどのような特徴がみられるのでしょうか?ここでは売上ランキングの上位3社について詳しくみていきましょう。


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ニチイ学館

ニチイ学館は「明るく豊かな生活への貢献」をモットーに医療・介護・保育のサービスを全国で提供する株式会社です。訪問サービスや老人ホームだけでなく、家事代行サービスなども提供しており、2020年3月期の売上高は765億6600万円となっています。


多分野にまたがる事業を行うためそれらの掛け合わせにより新たな事業を生み出していけるという強みを持っており、時代のニーズに合わせた事業展開をしているのが特徴です。


新卒採用ページ:https://www.nichiigakkan.co.jp/recruit/care/

SOMPOケア(SOMPOホールディングス)

SOMPOケアは幅広い介護サービス事業を提供するSOMPOホールディングスの子会社です。一人ひとりに合わせた介護サービスを提供できるほどフルラインナップで取り揃えています。2020年3月期の売上高は633億5200万円で、業界で2位を誇ります。


国内生保事業やヘルスケア事業、さらには海外保険事業と介護を掛け合わせた事業展開を行っているのが特徴です。


新卒採用ページ:https://recruit.sompocare.com/recruit/

ベネッセスタイルケア(ベネッセホールディングス)

ベネッセスタイルケアはベネッセホールディングスの中でも介護・保育事業に特化した子会社です。介護の技術だけでなく、認知症ケアや生活プランにも目を向けた理念を掲げています。2020年3月期の売上高は608億1880万円で、業界3位です。


介護と保育を掛け合わせた取り組みも行っており、リハビリホームに保育園を併設したり、メディカルホームに学童を併設したりと、特徴的な事業を展開しています。


新卒採用ページ:https://saiyo.benesse-style-care.co.jp/kaigo/new_graduate/

介護業界における特徴的な職種と業務



介護業界の主な仕事は人に関わるものがほとんどです。中には生活に密着したものもあり、専門的な知識や技術が必要な場合もしばしば。大変な仕事ではありますが、とてもやりがいのある仕事として注目されています。


介護業界における特徴的な職種と業務についてまとめました。


介護職員

介護施設でのメインスタッフとも言えるのが介護職員。具体的には施設で働く介護士や、在宅での利用者を支援するホームヘルパーなどが当たります。


国家資格保有者である介護福祉士だけでなく、介護職員初任者研修や介護職員実務者研修といった資格を持っていても従事することができる職種です。


ケアマネージャー(介護支援専門員)

ケアマネージャーは介護支援専門員の資格を有する職種です。「どのようなケアを行うか」を決めるケアプランの作成や介護におけるコーディネートを行います。


利用者と施設や自治体を繋ぐ大切な役割を果たす職種です。


生活相談員

生活相談員は、様々な介護サービス施設にて入所の相談や生活の送り方などに関し家族や利用者、事業所と共に相談し援助する職種です。


自治体ごとに資格条件が異なり、多くの施設では社会福祉士やケアマネージャー、介護福祉士などの資格が必要となります。利用者の今後の生活の質を決める重要な判断を任されています。


キッチンスタッフ(栄養士)

キッチンスタッフは、施設型の介護サービスにおいて食事の提供を行う職種です。経験の無い初心者にもできる仕事はありますが、本格的に介護施設でのキッチン業務に携わりたい場合は、栄養士や管理栄養士の資格をとることをおすすめします。


特に管理栄養士の資格を持っていれば利用者の「栄養ケア・マネジメント」もできるようになり、より重要な職種となります。


まとめ



今回の記事では、介護業界の特徴と仕事内容について紹介してきました。介護業界では以下のような特徴がみられます。


・利用者と提供者の他に行政が大きく関わるため報酬体系が他業界に比べ特殊。
・介護サービスには様々な種類があり、介護保険の適用範囲や民間参入の可否などが決まっている。
・人手不足な業界であるが、人の生活に関わる仕事であるためやりがいも大きい。


現代の日本では高齢化が著しく進むため、介護業界の需要は確実に拡大していきます。より多くの人々に貢献したい方にとってはぴったりの業界かもしれません。


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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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