【新卒業界研究】空運業界における各業務の特徴と今後の動向
運輸・物流
CONTENTS
空運業界の概要
空運業界における主要企業
ANAホールディングス
日本航空(JAL)
空運業界の各業務と職種
運航業務:パイロット
整備業務:航空整備士(技術系地上職)
運送業務:客室乗務員
管理:事務系地上職(グラウンドスタッフ)
【例外】
航空管制官
空運業界の現状と今後の動向
各社の争いは国際線へ
客層の多様化に対応
まとめ
近年では学生でも飛行機に乗って旅行に行く人が増えてきたりと、以前と比べても空運業界が身近になっていると思います。今回の記事ではそんな空運業界を就活を経験した立場から見た情報をお伝えしていきます。
業界研究の参考にできるような業界の特徴や今後の動向も載っているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
空運業界の概要
まず空運は「旅客輸送」と「貨物輸送」に大別されます。旅客輸送に関しては世界的な人口増加に加え、グローバルな人の移動が増えたことによりニーズは年々増加しています。比べて貨物輸送については国際貨物は拡大、国内貨物は横ばいの状態が続いています。
続いて具体的な数字に着目してみましょう。
- 市場規模は3兆4080億
- 平均年収は688万円
その中でも航空会社の2強が圧倒的シェアを誇っており、ANAホールディングスが5割、日本航空(JAL)が全体の4割を占めています。
空運業界における主要企業
空運業界といえば圧倒的なシェアを誇る航空会社2強を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。筆者の印象ではANAは泥臭く結果をとりにいく、企業や個人の成長をとにかく重要視する雰囲気があると感じました。
一方、JALは復活後は以前にも増して顧客満足や快適なフライトという点に力を入れているようです。と言っても量重視・質重視というほど極端なことではなく、安全第一を基本とした上でより高みを目指すための方法として何を心掛けるかの違いです。実際にどちらもお客様から高い人気を誇っていますし、もし受ける場合は社風や事業内容でどちらに惹かれるかで選べば良いと思います。
以下に四季報を参考にした企業情報をご紹介します。
ANAホールディングス
国際線・国内線ともに日本国内で首位。羽田発着便も多く、近年ではアジアに力を入れている。また2013年にLCCピーチを子会社化するなど、幅広い客層に対応。
またANAグループとしては、航空機利用者を対象とした航空運送事業だけでなく、物流・貨物事業を代表する株式会社ANA CargoやシンクタンクとしてANA総合研究所など積み上げてきたサービスノウハウや技術を幅広く世の中に提供しています。
- ・設立:1952年
- ・採用人数:122名
- ・求める人材:変化に挑戦し、グローバルマーケットで新たな価値を創造できる人材
日本航空(JAL)
国際線・国内線ともに日本国内で2位。2010年に経営破綻を経験するも2012年に再上場し復活しつつある。国際線の新規就航も多く、パイロットや客室乗務員の採用に力を注ぐ。
こちらも同じくJALグループとしての強みを活かし、グランドハンドリング、整備、貨物、不動産、金融など他業界と連携したサービスを提供しています。
- ・設立:1953年
- ・採用人数:100人
- ・求める人材:感謝の心と、謙虚な学び、果敢に挑戦し、最後までやり遂げる、多文化を尊重する、など
(参考:『就職四季報 総合版 2019年版』 東洋経済新報社)
空運業界の各業務と職種
ここでは、空運業界で特徴的な業務と職種について解説します。役割は主に4つに分かれており、以下のように分類できます。
- パイロット:航空機の運航
- 航空整備士:航空機のメンテナンス
- 客室乗務員:ヒト・モノの運送およびサービス提供
- グランドスタッフ:運航を管理・支援する事務全般
運航業務:パイロット
パイロットが主にこの業務に携わります。育成コースという入社後に一から運行業務を勉強する採用もありますが、人気が高く狭き門と言えます。また、晴れてパイロットになってからも高い責任感・スキルを求められ、華やかさだけではないハードな仕事と言えるでしょう。
整備業務:航空整備士(技術系地上職)
航空整備士など、安全にヒトやモノを運ぶために仕事を行います。航空整備士は国家資格が必要であり、専門学校に行くか企業によっては入社後に学ぶ場合もあります。さらに空港勤務の場合は24時間体制のため、深夜シフトがあるなど体力が求められます。
運送業務:客室乗務員
客室乗務員などヒト・モノを運ぶための業務全般に携わる人が行う業務です。他の業務と比べてもお客様と接する機会が多く、臨機応変な対応力が求められる一方で、安全第一という点にも責任感を持って働く必要があります。CA就活を専門とした塾があるほど採用に特徴がありますが、参加しないと受からないということはないので大丈夫です。
管理:事務系地上職(グラウンドスタッフ)
空港でチェックインなどのサポートをするグラウンドスタッフを見たことがあるかもしれませんが、彼ら以外にもお客様の見えないところで運行管理・経理・企画などを行う事務系地上職の社員がいます。彼らは職種区分は同じであり、多くの場合は一括で採用が行われますが、配属先によって行うことが全然違います。航空会社に依りますが、最初はグラウンドスタッフで経験を積んだのちに中枢部署へ移ることが多いようです。
【例外】
航空管制官
航空管制塔から飛行機に指示を出す姿にあこがれる人も多いでしょう。しかしこの職業は国土交通省管轄の公務員であり、航空会社に入ってもこの業務は行えないので注意が必要です。
空運業界の現状と今後の動向
各社の争いは国際線へ
訪日外国人がここ数年で急増しており、航空業界にとって強い追い風となっています。円安やビザの条件緩和により、特に中国を筆頭にアジアからのインバウンドが拡大しています。日本人の人口減少により国内線の需要減少が予想される中、いかに国際線の利用者数を増やすかがカギとなってきそうです。
さらにラグビーワールドカップやオリンピックなどの世界大会が行われる際は渡航客が大幅に増えるでしょう。政府は東京五輪に合わせ、2015年時点の1974万人から2020年には4000万人まで訪日外国者数を引き上げることを目標としています。
客層の多様化に対応
航空会社はANAやJAL等の「メガ・キャリア」と「LCC」に大別されます。詳しくは主要企業で紹介しますが、現在はこのLCC(格安航空会社)の発展が目覚ましいことが動向として見逃せません。例えば関空拠点のピーチ・アビエーションの業績は絶好調で、搭乗率は9割近くに達しています。また、ANA傘下のバニラ・エアは2016年に初めて黒字化を果たしました。
以前は飛行機=高いというイメージがありましたがLCCの台頭によって価格や質の選択肢が増えています。航空券の価格を抑えれば、国内・海外共に今まで飛行機利用に消極的だった人々を取り込むことが期待できます。そのためメガ・キャリアは潜在的需要のある新興国で路線を拡大することで格安飛行機に対抗する一方、LCCの子会社化などで幅広い客層を獲得することに余念がありません。
まとめ
空輸業界は私たちが普段見えない部分まで含めるととても奥深い業界と言えます。それに世界の人口増加や、新興国の経済発展など今後さらに伸びることが期待できるでしょう。そのような業界全体の好調や仕事内容の面白さから人気の高い業界ですから、第一志望の場合は早めに業界研究や面接対策を始めることをおすすめします。
採用時の職種は大きく分けて
- ・パイロット
- ・客室乗務員
- ・地上職(事務系)
- ・地上職(技術系)
となります。
併願できることも多いですが、面接でアピールするためには「どうして航空会社が良いのか」だけでなく「なぜその職種が良いの?」「併願するということは、この職種は第一志望じゃないの?」などのツッコミにも対応できるように志望動機を整理しておくと良いでしょう。
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