【新卒:業界研究】通信業界の特徴|ビジネスモデルや仕事内容など一挙解説

CONTENTS

通信業界とは?

現代社会に不可欠な情報インフラを支える業界

通信業界と言っても幅広い

通信業

放送業

デジタルプラットフォーム事業

通信業界の仕組み・ビジネスモデルは?

通信業の仕組み

放送業の仕組み

デジタルプラットフォーム事業の仕組み

通信業界の主な企業を紹介

東日本電信電話株式会社(NTT東日本)

ソフトバンク株式会社

KDDI株式会社

株式会社フジ・ メディア・ ホールディングス

日本テレビホールディングス株式会社

通信業界の特徴的な業務・職種

①営業

②企画

③技術職

まとめ

IT化が進んだ現代において欠かせない通信業界。時代を先取りした事業展開は就活生にも人気です。


しかし、業界の全体像が掴みにくく、「どこからどこまでが通信業界?」「結局何をしているの?」と疑問が生じやすいのではないでしょうか。


この記事では通信業界における主な事業や、具体的な仕事内容についてまとめました。しっかりと目を通し、業界に関する基礎知識を身に付けましょう!


また通信業界についておおまかな動向や今後の将来性について知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください!


【新卒:業界研究】通信業界の動向・将来性についてわかりやすく解説!


通信業界とは?



通信業界とは、電波を使ってサービスを提供する業界です。総務省の日本標準産業分類では「情報通信業」に属しており、非常に幅の広い業界でもあります。


サービスは企業によって異なりますが、代表的なものとして次の3つが挙げられます。電波や回線そのものを提供する企業(通信業)電波を通して情報を提供する企業(放送業)インターネット上に「場」を提供する企業(デジタルプラットフォーム事業)です。


現代社会に不可欠な情報インフラを支える業界

IT化が進み始めた2000年以降、通信業界の生産額は下降・上昇を繰り返してきました。しかし、2013年以降は継続的に上昇し続けています。今の就活生が、中学校に通っていた頃です。思い返せばその当時、スマートフォンを持ち始めた人も多かったのではないでしょうか。


2019年の日本における情報通信産業の市場規模(実質国内生産額)は104.8兆円にまで上りました。これは全産業国内生産額1,041.2 兆円の10.4%にあたり、全産業の中でも非常に大きな規模であると言えます。


参考:総務省『ICTの経済分析に関する調査 令和3年度』https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/r03_01.pdf

通信業界と言っても幅広い



では、事業によってはどのような違いがあるのでしょうか。前述した通信業、放送業、デジタルプラットフォーム事業について解説します。


同じ業界に属していても、事業内容は大きく異なります。


通信業

利用者に電波や回線を提供するとともに、それに付随するネットワーク設備の保守や運用をします。人々が安心して快適に通信を利用できるよう、それら全体を支える企業です。


通信は、固定通信移動通信に分けられます。


固定通信

自宅や職場など、特定の場所の通信環境を整えます。固定回線を設置することで、固定電話やWi-Fiルーターが利用できるようになります。近年は、高速で安定した通信が魅力の「光回線」が主流です。NTT東日本・西日本の「フレッツ光」をはじめ、さまざまな企業が光回線を提供しています。


移動通信

場所にかかわらず、いつでも利用できる通信手段です。携帯電話やスマートフォンは移動通信に含まれます。以前は固定通信と比べて通信が安定しづらい印象にありましたが、時代とともに変化を遂げ、今では固定通信に劣りません。高速かつ大容量の通信を実現する「5G(第5世代移動通信システム)」には、非常に期待が高まっています。


移動通信を提供する主な企業に、大手キャリアの3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)が挙げられます。


放送業

電波に乗せて情報を伝える、いわゆるマスメディアを指します。就職活動では独立して「マスコミ業界」と呼ばれることも多いですが、前述した総務省の日本標準産業分類では通信業と同じカテゴリーに分類されています。


公共放送のNHK、民放キー局と呼ばれる日本テレビ、TBSなどのテレビ局や、エフエム東京やJ-WAVE、文化放送などのラジオ局などが含まれます。


デジタルプラットフォーム事業

インターネット上に、「人と人」や「人とモノ」を繋げる場所を提供する事業です。SNS(LINE、Twitter等)やECサイト(アマゾン、楽天市場)などがここに入ります。

これらは時代を反映した比較的新しい事業で、近年急激に成長しています。


通信業界の仕組み・ビジネスモデルは?



次に、ビジネスモデルを解説します。通信業、放送業、デジタルプラットフォーム事業それぞれに特徴が見られます。


通信業の仕組み

サービス契約者による回線の利用料が収益となります。継続的に一定の料金が得られるストックビジネスという仕組みにより、安定した収益が見込めます。月々のスマホ料金を想像するとわかりやすいでしょう。


また、回線の提供は企業間でも行われています。自社回線を持たない企業は、NTT東日本・西日本が持つ光回線や、大手キャリアが持つ4G(LTE)回線等を借りて契約者にサービスを提供しています。


その他、ルーターやスマートフォンなど通信端末の売上や、金融サービスの手数料が収益となります。金融サービスには、NTTドコモのdカードやd払い、KDDIのau PAY、ソフトバンクのPayPay(ヤフーと共同で設立)などがあります。


放送業の仕組み

スポンサーによる広告料が主な収益です。企業はCMを放送するために、広告を放送する時間(広告枠)を買っています。その収益が番組制作費に充てられます。また、人気アニメ・ドラマのグッズ化、CD・DVD化からも収益が得られます。


さらに近年、テレビ局では新規事業に注力しています。動画配信事業や教育事業といったこれまで・これからのコンテンツ力を生かした事業展開によって、収益源にも変化が出ています。


デジタルプラットフォーム事業の仕組み

この事業は提供するサービス内容によって、主な収益源が異なります。多くの企業に共通するのは広告料です。近年、Web広告は効果が高く人気です。


その他、LINEではスタンプの売上やゲームユーザーによる課金、楽天では楽天市場への出店料などが収益の一部となっています。


通信業界の主な企業を紹介



幅広い通信業界には、実際どのような企業が含まれているのでしょうか。主な企業をご紹介します。


東日本電信電話株式会社(NTT東日本)

売上高:1兆7,180億円(2021年度決算)

社員数:4,900名(2022年3月現在)


東日本で固定電話や光回線のサービスを行っていて、近年では、ICT(Information and Communication Technology)=情報通信技術を活用した地域活性化に注力しています。

 

強みはグループの特性を生かした幅広いネットワークと蓄積された情報通信技術ノウハウです。企業、自治体、家庭と組織形態を問わず日々の社会活動を支えるためのコンサルティングを行っています。


参考:NTT東日本グループ会社『新卒採用情報』 https://www.ntt-east.co.jp/recruit/new-grad/

ソフトバンク株式会社

売上高〈連結〉:5兆6,906億(2021年度決算)

従業員数:49,581名(2022年3月時点)


通信事業を始めとして、さまざまな事業を展開しています。グループ企業にZホールディングス株式会社やLINEモバイル株式会社などがあります。

経営理念である「情報革命で人々を幸せに」とあるように革新的なテクノロジーやビジネスモデルを有する企業には積極的に投資しつつ、グループとして大きな変革をもたらす「群戦略」を展開しています。


参考:「ソフトバンクグループ株式会社『採用情報』」https://www.softbank.jp/corp/aboutus/
参考:「ソフトバンクグループ株式会社|業績分析」https://www.softbank.jp/corp/ir/financials/analytics/

KDDI株式会社

売上高〈連結〉:5兆4,467億円(2022年3月期)

社員数〈連結〉:48,829名(2022年3月時点)


携帯キャリアのauを展開しています。国際通信に優れ、海外62都市に100以上の拠点を持っています。


参考:KDDI株式会社『企業情報』https://www.kddi.com/corporate

株式会社フジ・ メディア・ ホールディングス

売上高〈連結〉:5,250億円(2022年3月期)

従業員数〈連結):6,492名(2022年3月時点)


フジテレビやニッポン放送などを含んでいます。近年はアニメ事業が好調で、都市開発・観光事業も行っています。


参考:株式会社フジ・メディア・ホールディングス『会社情報』https://www.fujimediahd.co.jp/corporate/profile.html

日本テレビホールディングス株式会社

売上高〈連結〉:4,063億円(2022年3月期)

社員数〈単独〉:207名(2022年6月時点)

日本テレビの視聴率は6年連続No.1です。動画配信サービスHuluや、アジア圏に向けた有料チャンネルも展開しています。


参考:日本テレビホールディングス株式会社『会社概要』https://www.ntvhd.co.jp/info/

通信業界の特徴的な業務・職種



通信業界では、具体的にどのような業務を行うのでしょうか。主な3つを解説します。営業・企画に加え、技術職があるのはこの業界の特徴です。


①営業

営業には、主に新規営業とルート(既存)営業があります。新規営業では新しいクライアントと契約を結び、ルート営業では既に契約しているクライアントと話し合いをします。


通信系の営業は?

通信系の営業は、以前より契約している店舗やクライアントの企業に出向いて行われるルート営業です。サービスを改善し続けるために、契約者が何を求めているか聞き出します。私たち一般の契約者のニーズは、ここで店舗を通して本部に届けられます。新規事業に参入した際には、サービスの規模拡大を目指し新規営業も行います。


放送系の営業は?

放送系の営業は、スポンサーを獲得するための新規営業です。そこで広告枠の販売を行います。しかし実際には、既に放送局とスポンサー企業との間に信頼関係が築かれていることが多いです。その場合には、スポンサー企業に合った広告枠を探して提案します。


②企画

商品のキャンペーンや番組の内容、新規事業について考え、実行までの筋道を立てる仕事です。お客様のニーズや市場動向を捉え、さまざまな角度から提案します。コラボレーション企画を打ち出した際には、他部署や他企業と共同で仕事をすることもあります。


③技術職

技術職も、通信業界には欠かせません。サービスやコンテンツに問題が起こらないよう、さまざまな方法で事業全体を支えています。


通信系の技術職

通信インフラを支えるエンジニアで、業務内容は専門によって異なります。ネットワーク設備の保守・運用やシステムの開発を通じて、利用者に安定した通信環境を提供しています。


放送系の技術職

情報を電波に乗せるため、番組として形を作る仕事です。制作を行うカメラマンや音声・編集の方はときおり番組内でも見かけますね。その他、番組放送時にトラブルが起きないよう、裏で支えるエンジニアもいます。


まとめ



通信業界のビジネスモデルや業務内容について、特徴を掴めましたか?まとめとして、以下の3点が挙げられます。


・電波や回線を使ってサービスを提供する
・IT技術と情報を駆使して進化し続けている
・時代の変化に合わせて事業も拡大している


生活に身近な通信業界。業界全体の動きが早いため、社会の情勢や問題も欠かさずチェックしておくとよいでしょう。次にどんなサービスが展開されるか予想するのも楽しそうです。個別の企業研究もしっかりと行い、自分に合った企業を見つけましょう!



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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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