【業界研究】専門商社とは?特徴と職種について解説
卸売・小売
CONTENTS
専門商社とは?
概要
総合商社との違い
専門商社の強みと弱み
強み:【独自のノウハウと強いコネクション】
弱み:【一分野に集中するから逃げ場がない】
専門商社の種類一覧(ジャンル)
専門商社の主な職種
営業
経営企画
事務
技術
専門商社に向いている人は?
①幅広い視点で業界を見たい人
②商社の中でも関わりたい分野が決まっている
③コンサルのような仕事に興味がある
まとめ
商社は人気の就職先ですし、ビジネスの形が多様で面白い仕事だと筆者も思います。就活生の中でもとりあえず受けてみるという人も多いかもしれませんが、対策が難しい点として商社のビジネスモデルが独特であること、仕事の幅が広くて理解に時間がかかることが挙げられます。そのため、「総合商社と専門商社があるけど違いが分からない」、「どちらを選ぶべきか迷う」などの疑問も含めて今回は専門商社についてお話したいと思います。
専門商社とは?
概要
まず、商社は「トレード」と「事業投資」を中心とするビジネスモデルを持っています。
「トレード」:モノやサービスを持つ人から求める人へ届けることが主な仕事です。トレーディング事業とも呼ばれています。単に商品を運搬する物流業務を担うだけでなく、顧客が安心して仕事を行えるように情報や金融サービス、保険なども提供することで総合的にサポートすることで、商社を介してビジネスを行うことに付加価値を加えています。取引先は国内から海外まで幅広く展開しているところが主です。
「事業投資」:商社が企業に投資をして経営をサポートすることで商社自体の利益も最大化することを目的に行います。商社は業界内で幅広い仕事をするため、情報やノウハウが豊富です。それらを活かして経営参画や子会社化を行うことがあります。
総合商社との違い
さらに商社の中でも専門商社は、ある特定の分野に特化して業務を行います。医薬品、金属、食品、エネルギー、機械、化学などさまざまな分野があり、高い専門性や業界内でのコネクションを持っていることが強みである場合が多いです。
専門商社の強みと弱み
強み:【独自のノウハウと強いコネクション】
地域密着型、グローバル型など同じ専門商社と言えどビジネスを行うフィールドは会社それぞれ異なります。しかし共通する点として独自のノウハウや情報網、顧客との強いコネクションを持っていることが挙げられます。特定の分野に特化したスペシャリストとなることで、専門商社にしかできない付加価値を生み出すことができます。例えば営業職であれば小売店の商品棚の配置など細かい部分まで管理し、そこで長年の経験や会社のノウハウが役に立つのです。
弱み:【一分野に集中するから逃げ場がない】
扱う分野が打撃を受けたら会社全体の業績に影響します。打撃と言っても台風や地震などの天変地異、国際情勢の変化、人々の消費傾向の変化など、種類はさまざまで中には予測が難しいものもあります。総合商社であれば一分野の業績が不振でも他業界で頑張れば会社全体のマイナスが少なくなりますが、一所集中型の専門商社では直接影響を受けるでしょう。
専門商社の種類一覧(ジャンル)
専門商社は特定分野に特化してトレードと事業投資を行っていることを理解していただけたと思います。下の表は専門商社がカバーしている分野と、それぞれの分野で活躍する企業をまとめました。
事業分野 | 扱う商材(主なもの) | 代表企業 |
---|---|---|
食品 | 食肉、水産物、加工食品、
菓子、酒類 |
三菱食品
加藤産業 伊藤忠食品 など |
医薬品 | 一般用医薬品、医療用医薬品 | アルフレッサ
東邦 メディパル スズケン など |
鉄鋼・金属 | 鉄鋼、非鉄金属 | 伊藤忠丸紅鉄鋼
メタルワン 日金マテリアル など |
燃料・エネルギー | LPガス、石油、電力、
バイオマス燃料 |
伊藤忠エネクス
三愛石油 岩谷産業 など |
機械 | 工具、機械 | 山善
岡谷鋼機 日立ハイテクノロジーズ など |
化学 | 化学品、樹脂、紙パルプ
電子材料 |
住友商事ケミカル
旭化成 三菱商事ケミカル |
上記で紹介した企業以外にも中小企業・大手企業が存在するので、気になった分野で詳しく調べてみることをおすすめします!
専門商社の主な職種
ここでは専門商社の事業を代表する職種について消化していきます。
営業
お客様と打ち合わせをして具体的な商談をまとめたり、新規顧客獲得のために外回りをすることが多いです。実力が伴うと担当場所が増え、複数地域をとりまとめるマネージャーのような役割を担うこともあります。メーカーと消費者の両方と関わることができる職種です。
経営企画
新規事業や経営戦略など企業の核とも言える方向性を決めていく職種になります。就活時は営業と同じく総合職として一括採用されることも多いです。その場合は数年間営業として現場を知り、その後希望して異動する流れになります。
事務
一般職が担うことが多い職種で、人数の関係で年によっては募集がない企業もあるかもしれません。採用HPで事前に確認することをおすすめします。仕事内容としては契約書類の作成や総合職のサポートがメインとなり、商社の仕事に関わりつつ転勤は避けたい人、残業を減らしたい人に人気があります。
技術
採用時から専門職として選考が行われます。特定の学部出身であることや、資格を持っていることなど応募に条件が課されることが多いです。商社であっても製品を作ることがあったり、営業職にはできない専門的な説明を顧客にするなど技術職にしかこなせない仕事を任されます。
専門商社に向いている人は?
前提として、企業によって求める人物像は異なります。とはいえ、専門商社を志す人に共通していえる特徴は3つあります。
- ①幅広い視点で業界を見たい人
- ②商社の中でも関わりたい分野が決まっている
- ③コンサルのような仕事に興味がある
①幅広い視点で業界を見たい人
商社の良いところとして、商品が出来上がってお客様に届くまでの一連のビジネスの流れを知ることが可能な点が挙げられられます。トレーディングに興味がある人にはおすすめです。一方商品企画や製造への興味が強い人はメーカーの方が楽しめるかもしれません。
②商社の中でも関わりたい分野が決まっている
商社のビジネスに興味があるけれど、総合商社か専門商社で迷っている人もいるかもしれません。「どうしても化学分野に携わりたい」など強いこだわりがある場合は専門商社の方が望みがかなうでしょう。総合商社は規模が大きい分、希望の部門に行けるか分からない「配属リスク」があります。専門商社ではどの部署でも自分の興味のある商材に関われることが大きな利点です。
③コンサルのような仕事に興味がある
商社のビジネスはコンサル業界に似ているという指摘をよく受けます。というのも、顧客と自社の両方が得するように、膨大な選択肢の中から最適解を見つけ出す作業がコンサルの行う仕事と通じているからです。その点でインフラ・物流業界と大きく異なります。
まとめ
専門商社は総合商社と比べて企業数が多いです。興味のある業界ごとに企業探しをすることをおすすめします。また、同じ業界であっても規模や社風が大きく異なるため、受ける前に一度は説明会やインターンに足を運んで自分に合うか確かめましょう。
【専門商社の特徴まとめ】
- ✔ 商社のメイン事業はトレードと事業投資
- ✔ 総合商社にはない特定分野に特化したノウハウとコネクション
- ✔ 商材の市況に影響を受けやすい
さらに、専門商社は競合他社とバチバチ火花を散らしていることも少なくありません。扱っている主な商材は知っておいた方が良いです。また企業研究をしっかり行い、面接の際には「御社の強み」「他社の強み」「それを踏まえてどうして御社を志望したのか理由」を答えられるようにすれば好印象を得やすいです。下に企業研究のやり方に関するリンクを貼っておくので、もし良ければ参考にしてみてください。
皆さんがご自身に合った企業を見つけられますように!
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