【就活向け】不動産業界における現状の課題と今後の動向について

CONTENTS

不動産業界の現状について

開発事業の現状と課題

流通事業(売買・賃貸)の現状と課題

投資事業の現状と課題

管理事業の現状と課題

不動産業界の今後と就活での注目ポイント

開発事業のこれから

流通事業(売買・賃貸)のこれから

投資事業のこれから

管理事業のこれから

まとめ

いよいよ今年開催となる東京オリンピックの影響により、不動産業界は大きな転換期を迎えています。今回は、不動産業界を4つの事業分野にわけ、それぞれの現状と直面する課題、今後の展望について分析していきます。


不動産業界の業務内容、職種ごとの特徴など全般については以下の記事で紹介しています!


不動産業界ってどんな仕事?事業ごとの特徴から適性まで解説


不動産業界の現状について


開発事業の現状と課題

現状:不動産業界の開発事業では、マンションや商業施設、オフィスなどの建築物を造成・企画するのがメインの仕事です。全域的な街づくりの中で重要な役割を果たす事業であり、東京オリンピックを目前に控えた東京都内では、台東区や中央区などで相次いで宿泊施設の建設が進んでいます。


特に不動産開発を専門的に行う企業はデベロッパーと呼ばれ、再開発の著しい都市部での需要が高まってきています。東京では、バブル崩壊後に六本木・丸の内・恵比寿などで先駆的な都市開発が進められ、近年では都市再生事業に加え公益的施設の供給も進み、事業の多様化が起きています。


課題:バブル崩壊以後の急速な再開発による、増設された建造物の老朽化が叫ばれています。東京オリンピック開催に向けて、景観を損ねる建造物のさらなる再開発も進められていますが、オリンピックが終了したのちには地価の暴落も懸念されているのが現状です。現在の高い需要により高騰している不動産が一度に売却されれば、再びバブルが弾ける恐れもあるのです。


流通事業(売買・賃貸)の現状と課題

現状:不動産流通事業は不動産を必要とする消費者への販売や賃貸借を仲介・代理するのがメインの仕事です。特に住宅分野においては、新築ではなく既存の住宅に対する流通が増加しています。


2016年から2018年の3年間では、首都圏での中古マンションの契約数が新築マンションの販売戸数を上回りました。それに伴い、既存住宅のリフォーム・リノベーションや住宅周辺の地域調査、保険加入の提案など、消費者のニーズに合わせたサービスの充実が求められている現状です。


課題:不動産価値の核心となる地価は、長期にわたり継続的に上昇してきました。オリンピックを控える今、地価の高騰は続いていますがオリンピック後の下落も懸念されています。地価が低下してもなお通用する流通事業のビジネスモデル考案が課題となってくるでしょう。


投資事業の現状と課題

現状:不動産投資は従来から一般的に行われてきましたが、近年、不動産証券化に関する制度が変更されたことにより不動産投資の市場が拡大しつつあります。これにより不動産の資産価値は向上・維持され高価値不動産が好んで選ばれることで、ストック型社会の実現が近づいています。また海外から日本の不動産への投資ビジネスも普及し、不動産投資のグローバル化も見られます。


課題:都市部での不動産価値が向上する反面、日本全体では人口減少が進み郊外の不動産価格は低下が見込まれます。またカジノを含む統合型リゾート施設など再開発の進む地域では、集客数による不動産価値の変動が大きいです。「売り」「買い」の時期の見極めがより大切になってきます。


管理事業の現状と課題

現状:不動産管理事業は、オフィスや商業施設など不動産の補修や点検、さらにはテナント募集や苦情処理を、所有者の代わりに行う事業です。不動産の価値を維持・向上させるために重要な仕事で、管理の適正化を図るために多くの制度が導入されています。とりわけ近年では住宅宿泊事業法(民泊新法)が2017年に成立したことにより、急激に増えるインバウンド需要の受け皿として、「適正な管理と健全な民泊の普及」が求められています。


課題:激しいスピードで変化する社会において、目の前の社会ニーズに合わせた不動産提供が多く見られます。宿泊施設の過剰開発などによる将来的なニーズの消失が懸念されており、サスティナブルな不動産利用をうながす管理事業が欠かせません。長期的に付加価値の高い不動産形成をもたらす管理が求められています。


不動産業界の今後と就活での注目ポイント


開発事業のこれから

近年では気候問題やサステナビリティが注目され始めたことにより、省エネ・省資源を目指す「ストック型社会」の構築が求められています。このような社会において不動産開発事業では、良質で長く利用できる不動産の供給が不可欠です。


また今後少子高齢化がさらに進むと同時に、外国人観光客の流入も増加していきます。新たな社会ニーズを踏まえた不動産の提供が求められる中で、デベロッパーを目指す就活生は再開発をどう見るべきでしょうか。


国土交通省は、既存の不動産を最適に活用しつつ日本らしい都市景観を創造し、地域コミュニティの形成にも積極的に取り組むべきだと提言しています。闇雲に新しいものを創るのではなく、その都市の魅力を引き出す再開発が必要です。


参考:「国土交通省社会資本整備審議会産業分科会不動産部会『不動産業ビジョン 2030 ~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~』」 https://www.mlit.go.jp/common/001287086.pdf

流通事業(売買・賃貸)のこれから

これからの流通事業においては、前述の通り消費者ニーズに合わせたサービスの充実と業務の多様化が求められています。しかしながら中小企業が流通事業の多くを占めるなか、充実したサービスを大手と同レベルで、かつ独自に提供することは非常に難しいでしょう。そこで地域密着という強みを活かしながら他業種連携を図る視点を持つことが重要となってきます。


また高齢者層や外国人・留学生などの増加により、既存住宅の需要はさらに高まります。リフォーム・リノベーションの多様化に対する理解も今後の流通事業では欠かせないものとなるでしょう。


投資事業のこれから

近年、投資先への環境・社会・ガバナンス(ESG)に対する考慮を求める投資家が世界的に増えています。そのためESG、SDGsに沿った不動産の開発・再開発が重要になってくるでしょう。また現代では個人の長期的資産形成を望むパターンも少なくないため、不動産投資による資産形成を簡単にする投資環境を整えることも大切です。ここも就活生が押さえておきたいポイントになります。


管理事業のこれから

社会の超高齢化・グローバル化が進む中、住宅やオフィスにおける消費者のニーズは変容しつつあります。不動産最適活用の根底を担うこの事業では子育て世代・高齢者世代に向けた住宅近辺施設(託児所、介護施設等)の充実や、多文化コミュニティの形成も含めた管理が必要です。


また管理業務の効率化やAI、IoTの導入による高付加価値サービスの提供が重要になってきます。不動産管理事業を志す就活生にとって、変容する消費者ニーズや社会の動きを鋭く見つめる力が大変重要となります。


まとめ



今回は不動産業界に関する分析を行いました。4事業それぞれの現状がお分かりいただけたでしょうか。


業界分析は就職活動において非常に重要です。自分の志望する業界の知識を身につけ、業界を絞るために欠かせません。新聞や本、企業のホームページ等を最大限に利用し分析していきましょう。


また、実際に業界に詳しい人に意見を聞くことも有効です。JobSpringでは就活生一人ひとりのニーズに合わせたアドバイスを行なっています。気になる事があればぜひ、オフィスまでお越しください!


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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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