就活でやりたい仕事が見つからない人はどうすればいい?ネオキャリアグループ人事が教えるやりたい仕事の見つけ方。

CONTENTS

1. そもそもやりたい仕事なんて存在しない!?

なんとなく就職することは可能か?

2. したい仕事がないと考えている人の特徴は?

やりたい仕事が見つからない学生が持つ3つの幻想

3. 「どうありたいか」を見失ってしまった原因は?

4. ネオキャリアグループ人事が推す「やりたい仕事を見つける方法」

まとめ

「あぁ、自分のやりたい仕事って何なんだろう…」


皆さんも就職活動をしている中で一度はこんなふうに悩んだことはありませんか?考えてみてもなかなかピンと来るものがなく、悶々とする日々。


そんなお悩みをお持ちの方はこの記事を読めば解決するはず。。今回「やりたい仕事の見つけ方」について回答していただくのは株式会社ネオキャリアで採用責任者をつとめる池田様です。


池田 亮 ネオキャリアグループ 人材派遣領域 経営管理本部 採用部 統括責任者

 ■2017年 株式会社ネオキャリア (アクサス株式会社へ出向)に入社。アクサスの採用部隊の立ち上げから参画し、特にエンジニア採用の拡張に従事

 ■年間20名程度の採用から年間300名以上の採用を安定化。その後ネオキャリアグループ内の人材派遣領域全体へ管掌範囲を拡大し、4法人700名規模の採用を管理。2名から18名まで部門も拡張

 ■現在は採用部責任者として、会社の成長を"人"で実現するために邁進


【インタビューでみる企業研究 第1弾】株式会社ネオキャリア


1. そもそもやりたい仕事なんて存在しない!?

やりたい仕事は存在しない


井上:本日もよろしくお願いいたします。前回はインタビューの最後に「今という時間を大切に生きるために自分がどうしたいかを死ぬ気で考えましょう」という熱いメッセージをいただきました。


このメッセージを頂いたときにふと思ったのですが、考えたうえで「やりたい仕事がみつからない」人はどうすれば良いんでしょうか?


池田さん:そうですね、まず「やりたい仕事が存在する」前提で就職活動をするのをやめた方が良いと思います(笑)


井上:いきなり衝撃的な意見ですね!もう少し詳しく教えていただけないでしょうか?


池田さん:はい。そもそも会社というのは何かしらかの商売(=仕事)をしていますよね。その商売を続けたい!もっと儲けたい!と思うと、買う人(=お客様)の存在が絶対条件になるので、”買いたい”という気持ちに繋がること、つまり買う人にとっての得や利益・幸せを第一に考え、さらに商売を通して実現する必要があります。


となると、実現のために最初に存在するのは「やるべき仕事」であり、「やりたい仕事」ではありません。


ただ、「やるべき仕事」を着実に重ねていく中で買う人からの信頼が生まれ、任せて頂けるようになり、”お客様のキモチに応えたい” ”もっとこの人の為にこんなことしたい” と思うようになり、「やるべき仕事」が「やりたい仕事」を生みだしていくことになります。


総じて考えてみれば、「やりたい仕事」そのものをやったこともない中で探すこと自体が難しく、何のためにやりたいのかが見出せない状況に陥る方も多いです。


そこで立ち止まるよりはもっとシンプルに、

会社:誰にどんな想い(理念)で何を(商売・仕事)をしてどんな状態にしたい(理想)
自分:何が欲しくて/なりたくて(理想)、そのためにどこで(業界・企業)何をして(仕事)どんな状態(キャリア)にならないといけない

など知れたり、想像できたりすることを整理して、”その会社に乗りたい” ”自分で考えた道に懸けたい” かどうかを決めて企業を選択する方が迷いも少なく、その会社・仕事を選んだ目的や理由も自覚できるようになります。


井上:なるほど。やりたい仕事で悩むよりも「どんな人といたい」「どうしないといけない」といった今目先で自ら導き出せることを考える方が先決ということですね。


池田さん:そういうことです。最近面接をしていても、自らわかることを置き去りにして、わからないことを周りに促されるまま収集した情報で無理やりカタチにしようとして迷走している学生さんも多いです。


井上:といいますと?


池田さん:「福利厚生」「ワークライフバランス」「成長機会」「年収」など、会社側の情報や周りの人が考えていることをベースに将来や軸を定義していくことになるので、自分の意思やキモチを置いてけぼりにした将来計画になっていくんですよね。


そうすると、自分にとっての背景や理由がないままに将来を描くことになり、自分自身でも納得感がないまま出口の見えない迷路に入っていくのです。


就活を仮に買い物に例えるなら、

A: 買いたいものがあったり、買ったものを使ってやりたいことがある買い物

⇒ 買いたい目的や理由があるので、選択を迷いにくく、判断も早い。買うことで自分がどうなる/どう思うがわかるので、納得感がある。

B: とりあえずお店にいって見て回る買い物

⇒ 商品を並べて比べ、良し悪しで買いたいかを考えるので、選択を迷いやすく、判断が遅くなる。商品を起点に買う理由が生まれるため、瞬間的な満足になることが多い。


といった差のイメージなのですが、もしもその買い物が自分の人生に関わるくらいとてつもなく大きな買い物で、かつ時間制限のあるイベントだった場合、どちらが最終的に良いものになりそうかわかるのではないかと思います。


なんとなく就職することは可能か?

井上:やりたい仕事が見つからないままなんとなく就活していたら、運よく内定がもらえることもあると思います。そういった場合は「とりあえずその会社で頑張ってみれば後からやりたいことが見つかるだろう」という考え方もあるようです。それについてはどうお考えでしょうか?


池田さんそれはそれで全然良いと思います。頑張っていたら偶然やりたいことが見つかることもありますので。大切なのはじっとせず、行動し続けることで偶然を手繰り寄せていくことです。


井上:それはどういうことでしょうか?


池田さん計画的偶発性理論というのですが、キャリアの8割は偶然から作られるという考えのもと、「待っていては起きない偶然を最大にするには行動し続けること」「偶然の出来事が起きたときの行動や努力がキャリアを拡げる」ことを提唱している理論です。


人生を思い起こすと、ほとんどの方が体験していると思います。


たまたま始めた趣味、友達に誘われて入った部活、ネットサーフィンで見つけたアルバイト、そこで出会った知人や友人、恩師。


何らかの行動から生まれたこれらの縁で自分の人生が変わっていったのではないでしょうか。


井上:確かにそうですね。偶然を計画的に起こすために行動する、自ら変化をつくりだす確率をあげるということですね。


池田さん:はい。多くの行動を起こせばそれだけ変化のチャンスも多くなるので、自分の「やりたいこと・得たいもの」と出会える可能性は上がります。企業との出会いも偶然ですので、内定先企業との縁を大切に、努力していきましょう


井上:以前のインタビューでもありましたが、「なんとなく」という気持ちでだらだら仕事をしているだけでは変化は起きないですし、会社からの評価も「なんとなく」に見合ったものしか得られなくなってしまいますよね。


池田さん:そうですね。自分が「なんとなく」で仕事をしている横にどんどん行動して仕事に取り組む同僚がいたら、偶然は全部持っていかれますからね。


井上:私もまずは目の前のことに意識を持って、全力で取り組む姿勢を忘れないようにしたいと思います!


2. したい仕事がないと考えている人の特徴は?

やりたい仕事がない人の特徴


井上:とはいえ、日々やりたい仕事が見つからない!と嘆いている人が多いように見受けるのですが、そういった人に共通する特徴はありますか?


池田さん:大きく3つの幻想のいずれかを抱いている傾向があります。


①仕事そのものが自分をワクワクさせてくれる
②やりたいことだけで経済が回っている
③社会が自分の希望を叶える

といったものです。


井上:なるほど。それぞれ詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?


やりたい仕事が見つからない学生が持つ3つの幻想

池田さん:まず①についてですが、私はよく「恋人の誕生日」を例に出します。


恋人の誕生日、当然「生まれてきてよかった!」と笑顔になってもらいたいと思うはずです。笑顔になってもらうためにどうすればいいんだと、知恵を絞るでしょう。


ただの例ですが、恋人が無類のカニ好きだとしましょう。「誕生日に最高のカニをプレゼントするしかない!」そう思い立つと、

  • カニと言えば越前ガニ、福井に行かないと!
  • 結構高いなカニ、数万円かかるぞ
  • 誕生日まであと1ヶ月、早くスケジュール立てなきゃ

といろんなことが必要になり、考えて動く労力・効率よく使わないといけない時間・貯めなきゃいけないお金など様々な苦労が見えてきます。


「恋人の誕生日」という前提を抜きにすると、カニを手に入れる行為自体が楽しいものだと思いますか?


井上:いえ、カニを買いに行くのも面倒ですし、ゴロゴロする時間を削って、買うにバイトしてお金貯めて。。。をするのは億劫ですね(笑)


池田さん:ですよね(笑)でもそれがいわゆる「仕事」なんです。冒頭でお話したように、会社は商売をしており、お客様の幸せを仕事を通して実現します。


今回の例で言えば、「恋人=お客様」であり、「幸せ=大好きなカニで誕生日をお祝いすること」、と置き換えられます。そうすると「仕事=カニを手に入れる」ことになりますので、井上さんが億劫になると思った行動です。


では、受け取った時の恋人の笑顔を想像しても、この仕事が億劫だと思いますか?


井上:大切な人が幸せになってくれるなら、むしろ望んでやりたいことになりますね。


池田さん:それが答えです。


仕事自体が自分をわくわくさせてくれる、やりたいと思わせてくれるのではなく、仕事を通して起きる未来や誰のためになるかを考えた人が勝手にわくわくし、勝手にやりたくなっていくものなんです。全ては自分の見方、捉え方です。


井上:②やりたいことだけで経済が回っている幻想 とはどんなものになるでしょうか。


池田さん:「こんな仕事やりたい!(裏を返せば”やりたくない”がある)」を全国民の希望通りにしたとしましょう。


例えば、

  • 好きな時間だけ働きたい!土日は休みたい!いつでも休暇取れる会社がいい!
  • できるだけ楽な仕事がいい!給料は高くて上がり続ける会社がいい!でもなるべく苦労はしたくない!
  • 困ったときに必ず助けてくれる人がほしい!育成制度が整っていてほしい!

これらをそのまま叶えたとき、世の中に残るサービスはおそらくほぼなくなり、経済が止まり、希望通りと真逆の世界になります。


世の中がやってほしいことを実現するためにサービスを生み、大きくしていくことで経済が回り、結果として希望を叶える選択肢が増えていきます。


誰かにこのサイクルを任せているのが②の幻想を持っている人で、自分の選択肢を人に求めるほど希望と遠のいた未来を近づけることになるので気を付けるべきです。


井上:③の「社会が自分の希望を叶える」はどうでしょうか?


池田さん:社会に対して学校に近い意識、”してもらう”立場でいる方が少なくないということです。


働き手不足という日本の雇用市場もあり、各社が働き手に選ばれる会社になるために福利厚生やサポート体制、教育制度等を進化させて働き手にとって手厚い環境創りに力を入れていますが、それを”働き手の希望を叶える”ことが目的だという勘違いが生まれやすい現状があります。


あくまでも会社は何かしらかの商売をしていますので、お客様や世の中のためにより良いサービス提供を追求します。手厚い環境創りは、働き手の希望を叶えるためにするのではなく、同じ目的に一緒に挑む仲間の「心身の健康や充実」「お客様に貢献する仲間への還元を最大にし、努力に報いる」を大切にし、利他のキモチを持ってお客様に向き合う集団になるためです。


その道中にキャリアがあり、キャリアは偶然によって生まれていきますので、”してもらう”受け身姿勢ではなく、”する”能動的な姿勢でいたほうが得られるものは多いものです。


井上:授業を通して学びの機会が自動的にあったり、学校行事のように自分の日常に変化を起こしてくれるイベントが向こうからやってくると勘違いしてしまっている節はありますね(笑)


3. 「どうありたいか」を見失ってしまった原因は?

わからなくなった原因


井上:最初にご説明いただいたように、どうありたいか・何をすべきかがわかっていれば先の幻想にも陥りにくいと思うのですが、これさえも自分で見つけられていない人がいるかと思います。これについては何が原因だとお考えでしょうか?


池田さん:根本的な原因でいえば、

①豊かさによる危機感喪失

②”個人の尊重”が”自分の尊重”と勘違いしてしまっていること

が大きいと考えます。


①によって「どうありたいか」をわざわざ考える必要性が弱まり、②によって視点が自分に寄っていくことで相対的にものを考えづらくなり、結果、たくさんの人がいる世界で自分の歩む道が見えなくなっているように感じます。


井上:それぞれ詳しくお聞かせください。


池田さん:まず①についてですが、日本は世界第3位の経済大国にはなりますので、経済的に豊かであると言えます。日常生活においては命の心配も食料に困る心配も基本的にはなく、物資や仕事も溢れており、選ぶことすら叶います。こんな国で必死に自分の明日を、将来を考える人はどれくらいいるのでしょうか。容易に想像できると思いますが、そんなに多く存在せず、むしろさらに減っていきそうですよね。


昔は自分達が生きていくために、子供達が元気に成長していけるように「すべきこと」「やりたいこと」が沢山ありました。それをたくさんの恩師がカタチにする中で世の中にモノが次々と生まれ、豊かな現在の経済大国まで成長してきました。感謝すべき歴史ですが、危機も不便も感じず生活できるようになったからこそ、意識的に思考・行動しなくても選択肢に溢れ、事足りてしまいます


ただ実際には経済指標の一つであるGDPが20年以上も停滞し、主要国では日本だけが経済成長をしていません。この「唯一停滞している先進国」であることを全員で自覚し、日本の成長に向き合っていかなければなりません。


井上:確かに、コンビニに行けばほしいもの・食べたいものを決めていなくても大体のラインナップはそろえてあるのでその場ですぐに手に入り、スマホを開けば自らが動くことなく通販で大半の欲求を満たすことができる時代ですね。


池田さん:②は捉え方の問題ですが、”個人の尊重”が”自分の尊重”と思ってしまいやすい世の中であることです。


会社で言えば、仕事内容や働き方、キャリアアップ、人事評価など様々なテーマで個人を尊重できるような仕組みを作り、希望に準じた支援を行なう企業も増えていると思います。


この変化自体は素敵なことですが、ひとつ間違えると「自分を尊重する(希望を叶える)ために会社は動く」という見え方にもなりえます。


“個人の尊重”とは本来、「全ての個人を互いに尊重する」ことなので、利他的な概念です。周りに常にたくさんの人がいる中で生きていることを忘れずに、歩んでいきたいですね。


井上:そうですね。お話いただいた内容を考えれば、将来を1人で考える難しさは今後も続きそうだと感じます。


池田さん:就活エージェントというサービスを行なう企業が増えているのもその例に当てはまりますよね。就職先企業を探すのに一緒になって将来を考えてもらい、アドバイスをもらったりしながら入社を決めるまで背中を押してもらう。現代では1人で決めていくのが難しいからこそ、手を引いてくれたり、支えになってくれる伴走者と将来を模索する方も多いのではないかと思います。


4. ネオキャリアグループ人事が推す「やりたい仕事を見つける方法」

やりたいことを見つける方法


井上:ここまで読んでいただいた人には、やりたい仕事は存在する前提で就活はしないこと、ありたい姿を自分で決めなければ前に進めないことはご理解いただいたと思います。


とはいえ、すぐに思考力と決断力を身にみつけるのも難しいと思います。そのような人はどのようなことから始めれば良いでしょうか?


池田さん:まずは先に上げた3つの幻想を取っ払い、自分自身のことから考えるのが先決です。「したいこと」「ほしいもの」「なりたい姿」なんでもいいです。その上で、「どこで」「誰と」「何を」「どんなふうに」したら進んでいけるのかを想像していければ少しずつカタチになっていくかと思います。


井上:原動力となる欲を定めるということですね。


池田さん:はい。対象は何でも良いと思います。こういうモノや価値観が好きだとか、こういう状態は嫌いだとか、そこは感覚的に判断できると思うので。


井上:順番として、幻想を取っ払い手に入れたいものを見つけてから、次にそれを実現するために何をすべきか考えれば良いということですね。


池田さん:その通りです。最終的に突き詰めていくと「やるべきこと≒やりたい仕事」が見つかると思います!。仕事に行き着かなくても、「一緒にいたい人」が見つかれば「その人とならどんな仕事でもやりたい」みたいな帰着もできるかもしれないですね。とにかく考える・動くが大切です。


まとめ

井上:「やりたい仕事は存在しない」「やるべき仕事の目的や捉え方でやりたい仕事へ変える」というのが今回のメインメッセージになるかと思いますが、実際ネオキャリア様もこのようなスタンスで歩んでこられたのでしょうか?


池田さん:そうですね。幅広く事業展開をしていますが、世の中やお客様にとって必要な「やるべき仕事」だからこそ様々な事業が生まれ、「やりたい仕事」になったから成長し続けてきたと考えております。


「ヒトとテクノロジーで一人ひとりの価値ある未来を実現する」というミッションに向けて、これからも歩みを早め続けてまいります。なによりもお付き合いくださるお客様のためにサービスを進化させ、一緒に挑む仲間が誇れる会社を目指して進んでいきます!


井上:ありたい姿に到達するために常にお客様にとってのナンバーワンを目指し続けていらっしゃるということですね。本日はありがとうございました。


池田さん:ありがとうございました。

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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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