くるみんマークは優良企業の証?くるみんマークについて解説

CONTENTS

くるみんマークとは?

プラチナくるみんマークも存在

くるみんマークの認定基準は?

①雇用環境の整備について、適切な行動計画の策定・周知をしていること

②行動計画は2年以上5年以下であること

③行動計画の目標を達成していること

④育児休暇の取得実績があること

⑤時短勤務制度があること

⑥過剰な時間外労働がないこと

⑦働きやすい環境づくりのための制度があること

⑧コンプライアンス遵守

くるみんマークはどんな企業が取得しているの?

株式会社NTTドコモ

丸紅株式会社

東日本旅客鉄道株式会社

まとめ

最近企業説明会などでよく耳にするようになった「くるみんマーク」。皆さんはこのマークがどんな意味を持っているかご存知ですか?


今回の記事では、

  • ・「くるみんマーク」って何?
  • ・どんな基準で認定を受けているの?
  • ・「くるみんマークがある」=優良企業の証?

という内容についてご紹介していきます。優良企業を判断する際、一つの指標として取り入れることができるため、必見ですよ!


【優良企業とは?】就活を成功に導く優良企業の探し方とそれぞれのメリット・デメリット


くるみんマークとは?



皆さんは「くるみんマーク」をご存知ですか?中には聞いたこともない、という方もある程度いらっしゃるかと思います。


くるみんマーク」とは「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証のことです(厚生労働省HPより)。2003年、日本国は急速に進行する少子化を食い止め、子育てをしやすい社会を作るために、「次世代育成支援対策推進法」を公布しました。これにより労働者を301人以上抱える企業の雇用主は、効果的な推進を図るためにどう振舞うかを記した「一般事業主行動計画」の提出を義務付けられたのです。


「一般事業主行動計画」の提出を始めとする規定の要件を満たした企業は、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受けることができます。この次世代認定マークが「くるみんマーク」の愛称で親しまれているのです。


プラチナくるみんマークも存在

2015年4月1日には、この行動計画をより持続的なものとするために新しく「プラチナくるみんマーク」の認定も始まりました。これは既にくるみんマークの認定を受けている企業のうち、子育てと仕事の両立をある程度以上支援できている企業に送られる認定マークです。高い水準で子育てサポートを行っている証と言えるでしょう。


さらに2017年4月1日からはくるみんマーク認定、プラチナくるみんマーク認定のどちらの認定基準も、より多方面から評価されるものへと改正されました。


次世代育成支援対策推進法は元々平成26年末までの時限立法として扱われていましたが、その期日が今では令和7年の3月31日までに延長されています。国を挙げて子育てサポートを行う企業を増やしていく動きがみられます。


くるみんマークの認定基準は?



それでは、具体的なくるみん認定の基準はどのようなものになっているのか見ていきましょう。


認定基準は全て合わせると10項目ありますが、ここではわかりやすくお伝えするために、要素を抽出し8つの項目に再構成しています。実際の認定基準をお知りになりたい方は、以下のリンクから厚生労働省発行のパンフレットをご覧ください。


厚生労働省「次世代育成支援対策推進法関係パンフレット

①雇用環境の整備について、適切な行動計画の策定・周知をしていること

妊娠中や子育てを行う労働者の仕事と家庭を両立させるために、企業側は雇用環境と労働条件について整備しなければなりません。


また認定を受けるために行動計画を策定もしくは変更した場合、その旨を3ヶ月以内に公表し労働者にも周知させる必要があります。


②行動計画は2年以上5年以下であること

行動計画の適用される期間は2年以上かつ5年以下でなければなりません。


③行動計画の目標を達成していること

もちろん計画を立てておしまい、ではいけません。その計画が実施・達成されたことを示す証拠が必要です。


計画の立案は企業により様々ですからその証明も企業によりけりです。以下のような例を参考にしイメージしておきましょう。



(厚生労働省発行パンフレットより抜粋)


④育児休暇の取得実績があること

育児休暇がどれだけの割合で取得されているか」も大切な認定基準の1つです。


具体的に男性労働者に関しては「計画の期間内に配偶者が出産をした男性労働者のうち、育児休暇等を取得した人の割合が7%以上である」、もしくは「上記と同様の男性労働者のうち育児休暇等を1人以上取得しておりかつ、ある種の育児を目的とした休暇制度を取得した人数の合計割合が15%以上である」ことが必要条件です。


つまり言い換えれば、「法律で定められた育児休暇」を7%以上の子持ち男性労働者が取得しているか、もしくは法で定められた育児休暇を1人以上取得していて、かつ「それ以外の独自の育児休暇」を15%以上の子持ち男性労働者が取得していることが基準ということです。


女性労働者に関しては「計画期間内に出産した女性労働者のうち法で定められた育児休暇を取得した人の割合が75%以上である」ことが必要条件です。


男性労働者、女性労働者のどちらに関しても基準をクリアしている必要があります。


⑤時短勤務制度があること

3歳から小学校に入学する前の子どもを育てる労働者に対して、フレックスタイム制度などの時短勤務制度を導入していることが必要です。


⑥過剰な時間外労働がないこと

時間外労働は子育てに大きな影響を与えます。そのため過剰な時間外労働を課していないということも大切な指標の1つと言えます。


具体的にはフルタイム労働者の時間外労働平均値が月に45時間未満であること、かつ月に60時間以上の時間外労働を行う労働者がいないことが必要条件です。


⑦働きやすい環境づくりのための制度があること

働きやすい環境づくりは子育てサポートには欠かせません。具体的には、

  • ①時間外労働を削減しやすい環境
  • ②有給休暇を取得しやすい環境
  • ③在宅勤務やテレワークなど多様な働き方を整備する環境

を作る制度を設けていることが必要です。


⑧コンプライアンス遵守

これは最も基本的で、かつ最も重要な要素と言えるでしょう。各法(労働基準法や男女雇用機会均等法など)に違反するような事実を企業が抱えていないことが条件に挙げられています。


くるみんマークはどんな企業が取得しているの?



令和2年6月末時点で、全国の企業・機関のうち3378社がくるみんマークを取得しています。特に有名な3つの企業について簡単にご紹介いたします。


株式会社NTTドコモ

株式会社NTTドコモでは2008年、2015年、2018年の3回認定を取得しています。


この企業では女性活躍の推進を特に力を入れて行っており、プラチナくるみんマークを取得しています。2020年度には女性管理者の比率を7.5%まで到達させることを目標にしています。


そのほかにもワークライフバランスを重視し多様な働き方を実施できるよう制度の拡充を行っており、働き方改革に積極的な企業と言えるでしょう。


丸紅株式会社

大手総合商社である丸紅株式会社では2008年、2011年、2017年、2018年の4回認定を取得しています。


この企業もプラチナくるみんマークの認定企業です。特に女性の活躍推進に力を入れており、女性総合職の採用を増加させています。2019年10月1日時点では、女性総合職社員が総合職社員全体のうち10.1%である338名にまでのぼりました。


東日本旅客鉄道株式会社

JR東日本の名で知られるこの企業は2008年、2012年、2018年の3回認定を取得しています。


仕事と育児・介護の両立支援を大きく掲げており、事業所内に保育所を設置したり再就職の支援を行っています。24時間稼働し続ける職場のため、多様な働き方が実践されている企業です。


まとめ



今回の記事ではくるみんマークについてご紹介しました。子育てサポートは、女性の産休育休だけでなく男性の育休にも心強いですよね。


・くるみんマークは「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受けた証である
・プラチナバージョンも存在する
・認定基準がしっかりと定められており福利厚生の判断基準として有効
・令和2年6月末時点で、全国の企業・機関のうち3378社が取得している



就職活動を進めていく上で自身の志望企業が優良企業かどうかを判断する機会は必ず訪れるかと思います。その際、1つの指標としてこのくるみんマークを参考にしてみてはいかがでしょうか!


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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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