就職が難しいとき、留年と就職浪人どちらが良い?メリット・デメリットについて

CONTENTS

就職浪人とは?

就職浪人の割合はどれくらい?

就職「留年」との違い

就職浪人も留年も基本的には不利?~デメリットについて~

新卒至上主義という風潮

新卒向けの採用枠にエントリーできない可能性

就職浪人の理由を聞かれたときの伝え方のポイント

①ブレない意志を伝える

②過去の就活の反省を顧みる

③場数をこれまで以上にたくさん踏む

「留年」や「浪人」を選ぶ前に…

先輩やOBOGに相談する

家族や親友に相談してみる

就活エージェントを利用してみる

まとめ

「内定は得られたけど、希望する業界の内定は得られなかった…」

「そもそも内定がでていない。どうしよう…」


就活がうまくいかない状況は、誰にだって起こり得ます。これまでとても優秀な成績を修めてきた人が就職活動では結果が残せない、なんてことも珍しくないのが就活市場です。


決断の時期が迫る中「就職浪人」や「就職留年」といった選択肢が見え隠れしている就活生も少なくないのではないでしょうか?今回の記事ではそんな就活生の皆さんに向けて、


  • ・就職浪人と就職留年の違いやメリット・デメリット
  • ・就職浪人を選んだ際のポイント
  • ・浪人・留年を選ぶ前にして欲しいこと

をお伝えしていきます。少しの間だけでも一息ついて、一緒に進路について考えてみませんか?


就職浪人とは?



就職浪人とは就職先の内定がどこからも得られていない、もしくは希望の業界への内定を持っていないために、大学卒業後に一年追加で就職活動を行うことを意味します。ある業界に対し強い進路希望がある場合は、いくつかの内定を持っているにも関わらず就職浪人を選ぶ就活生もいるようです。


ここでは就職浪人をする就活生の割合や、就職浪人と就職留年の違いについて紹介していきます。


就職浪人の割合はどれくらい?

実際のところ、就職浪人の道を選ぶ就活生はどれくらいいるのでしょうか?


文部科学省発表の『大学等卒業者及び高校卒業者の就職状況調査』によれば、令和元年度の大学等卒業者における就職率(就職率:就職希望者のうち実際に就職が決まった人数の割合)は98.0%の値を示しています。すなわち就職を希望していながら就職先が決まらない就職浪人の割合はおよそ2.0%ということです。


実際には、就職浪人を避けるためにあえて大学を留年する学生もいるため、就職希望者のうち就職先が決まっていない学生は2.0%よりも多くなりますが、それを加味してもかなり低い値となることは間違いありません。


就職「留年」との違い

上記で就職浪人を避けるためにあえて大学を留年する「就職留年」について触れましたが、就職浪人と就職留年はどのような点が異なるのでしょうか?また就職留年と休学にも違いがみられるのか、それぞれの定義とメリット・デメリットについて表で確認していきましょう。


  

就職浪人 就職留年 休学(留学)
定義 希望の就職先が決まらず、
大学を卒業した後も就職活動を続ける
希望の就職先が決まらず、
あえて留年して就職活動を続ける
留学や企業の長期インターンシップで大学を一定期間休むこと。
短い人だと3ヶ月程度、長い人では数年休学することもある(休学できる期間については各大学で要確認)。
メリット ・希望の業界や就職先へ挑戦するチャンスが増える。
・就職留年に比べて学費がかからない。
・希望の業界や就職先へ挑戦するチャンスが増える。
・「新卒」として扱ってもらえる。
・学生のうちから広い世界を見て価値観を広げられる。
デメリット
・「新卒」扱いではなく「既卒」となってしまう。
・採用者からはネガティブなイメージを持たれてしまうことも多い。
・学費が余計にかかる。
・就職留年が理由であるとネガティブなイメージに繋がってしまう。

・最近では多くの企業が留学等による休学についてはプラス評価を与えるようになったが、企業によっては未だ休学をネガティブに捉えることがある(面接での伝え方が何より重要)。


就職浪人も留年も基本的には不利?~デメリットについて~



上記の比較のように、就職浪人であろうと就職留年であろうと、どちらの場合も就職活動の市場ではネガティブなイメージを持たれやすくなってしまうことに変わりはありません。大学を卒業しているかどうかが異なるだけで、就職先が決まっていないという本質の部分に変わりはないため当然とも言えるかもしれません。


ではなぜ就職浪人、就職留年が就職活動においてこんなにもデメリットに働いてしまうのでしょうか?その理由について詳しくご紹介していきます。


新卒至上主義という風潮

まず第一に、新卒至上主義という風潮が既卒就活生の就活を難しいものにしていると考えられます。


日本企業ではいまだ新卒一括採用が主流であることは皆さんご存知でしょう。入社後の伸びしろに期待した「ポテンシャル採用」が殆どです。その伸びしろを測るために面接を重ねていくのですが、就職浪人・留年して再チャレンジした学生は「一度その基準に落ちた=ポテンシャルが少ない」という評判が常につきまといます。


記事を書いている私は通年採用の企業を受け10月に内定を得ました。ひと月、ふた月、例え短い期間であっても4月の一括採用から今にいたるまでの遍歴について細かく質問を受けました。面接官を納得させられる回答を出すことができず、落ちる。しっかりと入念に準備をしても納得してもらえない、落ちる。約半年後に理解ある企業に出会い内定をもらえましたが、基本努力しても落ちやすいという表には出ない厳しい現実を感じました。それほどまでに今の社会では新卒一括採用のレールから外れるということのリスクが大きいのです。


これに対して、就職留年をした人は新卒の扱いになるため新卒一括採用のレール上には乗ることができます。ですがこれまでの遍歴について尋ねられた際、就職活動だけが理由で留年をしていると分かれば「ポテンシャルが少ない」という評判を払拭できません。就職留年の場合も就職浪人と同様、厳しい現実を突きつけられてしまいます。


いざ再チャレンジと本人が意気込むことは大事ですが、貼られたレッテルをはがすためには大きな労力が必要です。


新卒向けの採用枠にエントリーできない可能性

就職浪人は大学を卒業後も就職活動を続けることを意味します。つまり既卒の扱いとなってしまう、ということはこれまでにも述べてきましたね。


すると、企業のエントリー時点で「新卒向けの採用枠」には応募できなくなってしまうのです。特に新卒をたくさん採用しようと考えている企業では、そもそも新卒向けの採用枠しか用意していないこともしばしば。このような理由から、高い学費を払ってまで就職留年をする就活生が出てくるのです。


チャンスが少なくなれば当然成功率も下がってしまいます。就職浪人は就職留年以上に難しい戦いとなるでしょう。


就職浪人の理由を聞かれたときの伝え方のポイント



仮に就職浪人という選択肢を選んだ場合、実際の面接では必ずその理由が尋ねられます。なぜ就職浪人をしたのか、伝え方次第で面接官の印象やその後の選考に大きく影響することは間違いありません。


どのようなポイントを意識して就職浪人の理由を伝えるのが適切か、伝え方のポイントを対策としてご紹介していきます。留年の理由についての伝え方は以下の記事でわかりやすく紹介しています。合わせてご覧ください。


就活で留年理由を聞かれたら?納得してもらう答え方解説


①ブレない意志を伝える

就職浪人を選択する就活生の多くは、ある業界へのアツい想いや意志があってその道を選んでいます。なぜリスクを負ってまでその選択をしたのか、面接官を納得させることができる理由を自分なりに準備することが何より大切です。


「実力が足りなかった」「準備不足だった」などの理由も考えられるでしょう。ですが自分に正直であればあるほど面接の結果は悪くなる一方。志望する業界に入れなくなるかもしれません。


嘘をつけとは言いませんが、多少誇張した志望動機やこれまでの経験を用意しておくことは欠かせないでしょう。


②過去の就活の反省を顧みる

ある程度自身を客観視できていて、変わる必要があると感じる方はこちらが大切です。


就職浪人をしているということは、就活市場において自身の価値が低いことは明らかです。面接官にとって模範的な就活生に映るように努めましょう。自身を曲げるように思えるかもしれませんが重要なことは、自身の願望を満たすことではなく、面接官(=顧客)の望みを叶えることです。


就活の経験値はたくさん獲得しているはずなので、反省し次の就活に活かす姿勢が重要です。


③場数をこれまで以上にたくさん踏む

伝え方のポイントをいくら意識し準備しても、それが実際の面接で通用しなければ意味がありません。練習のつもりで、志望業界以外の選考もたくさん経験しましょう


ただ受けるだけではいけません。「この言葉を入れると面接官の受けがいい」「これは禁句」など、自分の用意した志望動機やポイントがどうすれば通用するものになるのか、トライアンドエラーを意識しながら場数を踏むことが大切です。実践も意識しながら就活を行いましょう。


「留年」や「浪人」を選ぶ前に…



「結果がでない…」


その事実を1人で考え込んでしまうと思考がグルグルとしてしまい、ただでさえ貴重な時間をさらに浪費してしまうことがあります。自身の業界の選択、面接の対応は良かったのかなど、自分を自分だけで評価することは難しいでしょう。


「就職浪人」や「就職留年」という道を選択する前にするべきことをご紹介していきます。


先輩やOBOGに相談する

重大な決断を行う前に一度、話を聞いてくれる先輩やOBOGに相談することをおすすめします。


先輩やOBOGは就職活動を間近で経験している存在です。自分には考えもつかないような道を示してくれたり、ためになるアドバイスがもらえるかもしれません。


家族や親友に相談してみる

あなたのことを一番よくわかり、親身になって相談に乗ってくれる相手に話をしてみることも大切です。その相手が親や兄弟姉妹である人もいれば、幼なじみや親友である人もいるでしょう。


大きな悩みを抱えた時そばで支えてくれる人の意見を聞くことで、思わぬ発見があるかもしれません。


就活エージェントを利用してみる

就活に精通しており、もっと実践的なアドバイスが聞きたければ就活エージェントを利用することも一つの手段です。


就活エージェントは多くの就活生にアドバイスを行ってきている、いわば就活のプロフェッショナルです。もちろんその中には「就活が終わらない」といった悩みを抱えてくる就活生もおり、そのような方々のサポートもしています。


これまで就活エージェントを利用したことがない人も、これを機に利用してみると新たな視点が得られるかもしれません。


まとめ

今回の記事では就職が思うようにいかない時、就職浪人と留年のどちらを選択するのが良いかということについて紹介いたしました。記事全体を簡単に振り返ってみましょう。


・就職浪人も就職留年も、デメリットが大きいのは間違いない。
・浪人では既卒扱いになってしまう点が、留年では学費がかかることに加え選考時の印象がネガティブである点が大きなデメリットとしてあげられる。
・もし就職浪人を決めた場合、特に準備に力を注ぐ必要がある。
・浪人・留年を決める前に周りの人に相談してみることが大事。


就職浪人・就職留年のどちらを選択してもデメリットが大きいことに変わりはありません。就職活動はより難しく険しいものとなるでしょう。


一人で向き合う時間も大切ですが、周りの人に意見やアドバイスを求めることも忘れてはいけません。我々就活エージェントはいつでも相談できるよう門を開いています。一度プロに相談してみることも選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。いつでもお待ちしています。


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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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