早期離職防止の取り組み「社外同期交流」ってなに?新卒の人脈づくり徹底解説

CONTENTS

社外同期交流とは?

概要

背景

社外同期交流は早期離職防止につながる?

新卒社員からの見解

これからの課題

就活生に意識してほしいこと

新卒の人脈づくりは?

①営業職ならば日々の接点を大切に

②別部署への接点をつくる

③SNSでイベントや交流会に参加する

④入社前に交流を深めるのもアリ

まとめ

『若手の早期離職防止なるか?「社外同期」交流とは』ニュースイッチ 2019/10/23


人材大手のアデコは「キャンパスリング」という活動で内定者同士を結び付け、勉強会や飲み会を行う。同社の顧客は採用人数が少ないグループ会社が多く、社外同期を作ることで仲間意識を育て、早期離職対策や孤独対策になるとしている。


さらに、同業界のつながりを後押しするために合同研修を行うオールアバウトや、合同入社式を行うYOUTRUSTなど、入社企業の違う新卒を結びつける「社外同期」に関する試みが広がりつつある。(要約)


原文:ニュースイッチ『若手の早期離職防止なるか?「社外同期」交流とは』

「新卒がすぐ辞めてしまう」ことが社会問題となる中で、抑止策として新たな試みが始まっていることをご存知ですか?現在はまだ一部でしか行われていませんが、もし普及すれば皆さんの社会人生活も大きく変わる可能性があります。今回はニュースをもとに「社外同期」と「人脈」について理解を深めましょう。


社外同期交流とは?


概要

社外同期は、「同じ時期に会社に入社する人たちのコミュニティ・人脈」を指す言葉です。複数企業が共同で研修や入社式を行うことで、社外同期の絆を深める試みが現在広がっています。


背景

この活動の背景としてあるのは、「早期離職の防止」と「社員の孤立防止」です。年に数人しか新卒を採用しない会社では、同期の相談相手が少ないことで孤独を感じたり、人間関係で疎外感を覚えることも少なくありません。実際に内閣府の調査でも初職離職者の23.7%が人間関係の不具合を理由に挙げています。


働き続けるためには、仕事が楽しいだけでなく、周囲の人との関係性も重要だということです。そのため今回の試みでは、社外同期という仲間を作ることでこれらの問題を解決することを目標としているのです。


参考:内閣府『特集 就労等に関する若者の意識』

社外同期交流は早期離職防止につながる?


新卒社員からの見解

新卒社員にとって社外同期を持つメリットは多いです。例として以下のものが考えられます。


1.自社に捉われず、広い視野で社会の動きを見ることができる

新卒は仕事を覚えるのに必死で周りを見る余裕がありません。その間に会社の中が世界のすべてになり、社会の動きに鈍感になってしまうのです。社外の同年代と定期的に交流することで、狭くなりがちな視野を外へ向ける機会が得られます


2.外部の刺激からアイデアを得て、社内での業務に活かせる

閉鎖的な環境にいる人間同士はどうしても考えが同質化し、良いアイデアが生まれにくくなります。作家が缶詰状態だとアイデアが浮かばないように、ビジネスにおいても外部との交流は新しい刺激をもたらしてくれます


例えば、社内にはない新しいアイデアを外部交流から得て、自分の仕事に活かしたら評価してもらえますよね。そうやって会社を進化させることで自分の価値も上がっていきます。


3.社内に同期が少なくても孤独がない

「また失敗しちゃった」「あの先輩めっちゃ厳しいんだよね」など他では打ち明けられない気持ちを吐露できるのが同期の良さでしょう。そうすることで気持ちを切り替えて頑張り続けられるのです。採用人数が少ない企業に入社する人にとっては社外同期がその役割を担ってくれます。


これからの課題

前述した通り、社外同期交流という施策は「孤立防止」および「早期離職の防止」の可能性を秘めています。しかしさらに広く普及させるためには大きな課題があります。


企業規模によっては非現実的

社外同期の存在で得られる刺激の大きさを考えれば、大手企業にとってもメリットは大きいです。しかし同期が100人いる企業に入社した場合、社内同期の名前を覚えることすら出来ないかもしれません。その状況で「社外同期と交流しよう」と言われても戸惑ってしまいます。


業界や企業体質によっては難しい

例えば金融業界や政府系企業など情報管理が徹底されている企業は、社外の人と気軽に情報交換できない環境です。また、雰囲気だけの問題ではなく、規則で社外秘が多ければ多いほど気軽な外部交流は難しくなります


いま社外同期の試みを行っている企業は意思決定の小回りが利くスタートアップなどがメインです。今後日本の社会全体にこの動きを広めるためには、確実な効果を数字で証明する必要があります。「社会全体で新卒の3年以内離職が多い中で、社外同期がいるとどう違ったのか」「社員の創造性やモチベーションに変化があったのか」というデータが出すことで、大企業や閉鎖的な社風の企業が取り入れる余地が出てきます。


就活生に意識してほしいこと

社員の人間関係は「働く環境」の一部として、企業が責任を持って考えるべきことだと筆者は思います。その解決策の一つで「社外同期」という観点はとても興味深いですが、残念ながら今すぐ社会全体に広がるとは考えにくいです。


それを踏まえ、これから就活をする人は、この企業に入ったら、どんな同期と出会えるか」「どんな人脈を作れるか」を考えて内定先を選んでも良いでしょう。


  • ・ベンチャーだとしたら、そこでは「社外同期」との交流が取り入れられているか
  • ・大企業の場合、同期にどんな人が多くて、交流機会はどれくらいの頻度か

などをあらかじめ知ることで「人間関係の不具合」を自ら防ぐことが大切です。


また、企業を頼りにせずにSNSや友人のつながりを使い、自分から社内の枠を超えた人脈作りをする人もいます。それが出来れば人間関係の悩みも軽減されるはずですから、以下の「新卒の人脈づくり」で紹介させていただきます。


新卒の人脈づくりは?


社外同期に限らず、人脈作りはビジネスにおいて重要で、それは新卒のうちから始まっています。人脈を広げることはビジネスチャンスを増やすだけでなく、頼れる仲間を増やすという意味でも大切なのです。


①営業職ならば日々の接点を大切に

仕事柄から社外に出向くことが多い営業職は、出会いの機会も多いです。取引先の他業界の社員さん、大規模プロジェクトで協力した同業界の社員さんなどと仲良くなることで、人脈を広げやすいのが特徴です。毎回の出会いを大切にすることで無限に人脈を広げることができるでしょう。


そのためにも、仕事はきっちりこなして好印象を得る、相手に興味を持ってたくさん質問するなど、自分から積極的に相手と向き合う姿勢が大切です。


②別部署への接点をつくる

別部署に配属された同期と親しくなり、そこから人脈を広げることもできます。仕事上で別部署と連携する必要が出てきた際、知り合いがいると随分スムーズに事が運ぶこともあります。


一斉に行われる新人研修中は大きなチャンスですから、いろんな人と話しましょう。


③SNSでイベントや交流会に参加する

普段接点のない人との人脈を築くためには、SNSが有効な手段になります。業界や職種などを絞ってイベントを探したり、特定のビジネスに関する交流など、効率的に人と出会うことができます。


④入社前に交流を深めるのもアリ

入社前から社内の同期や先輩と交流することで仲良くなることもできます。親睦会や歓迎会は人脈を広げるチャンスです。また、大学の友人で他企業に入社する友人との交流もおすすめです。


関連記事:『内定後の大学生活はどうすべきか?入社までの動きについて解説!』


まとめ


社外同期の存在は刺激を与えるだけでなく、社内に同期がいない人にとっては孤独から救ってくれる仲間になるでしょう。そして新卒が生き生きと働くことで、会社にとっても、新しいアイデアの発掘や離職率の低下などメリットがあるのです。


また、社外同期に限らず積極的に人脈を築くことは意識するべきです。広い人脈を持つことで思わぬところからビジネスチャンスが転がりこんだり、困ったときに手を差し伸べてもらえるでしょう。


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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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