外資系とは何か?代表的な企業例と仕事内容をわかりやすく解説

CONTENTS

「外資系」とは?

代表的な外資系企業の例

外資系企業の仕事内容

外資系企業と日系企業の違い

外資系企業で働くメリット

 ①給与水準が高い

 ②実力主義・成果主義

 ③ワークライフバランスが尊重されている

 ④グローバルな仕事環境

外資系企業で働くデメリット

 ①福利厚生が手薄い

②結果が出せなければ生き残れない

 ③ボスの権限が強い

④一定の英語力は求められる

外資系企業に向いている人は?

 ①自ら目標設定や努力ができる人

②意見をはっきり言語化できる人

③視野が広く多様な観点から相手を理解できる人

④コミュニケーション能力が高い人

⑤英語を活かしグローバルな環境で働きたい人

外資系を志す際の注意点

外資系企業の選考の特徴について

外資系は日系より選考時期が早い

選考ステップとしてインターンが超重要

まとめ


就活で人気の「外資系」。近年はグローバル化も伴い、日本で耳にする外資系企業の名前も増えています。しかし「結局、『外資系』って何?」と思う人も多いのではないでしょうか。

この記事では、「外資系」について、主な特徴や企業名、働く上でのメリット・デメリットをまとめました。外資系企業への理解を深め、選考に向けて準備できるように情報を整理しましょう!


「外資系」とは?

外資企業の説明


「外資系」「外資」は、「外資系企業」のことを指しています。

外資系企業とは、海外の企業や投資家が一定以上の出資をしている(=その企業の株式を保有している)日本の企業のことです。それら海外の企業・投資家は、企業の経営方針に強い影響力を持っています。

企業が外資系かどうか見極める際には、その会社の株式保有比率を確認する他、外国発祥の企業かどうか、本社所在地はどこか等を調べるとわかります。「日本法人」という語が見つかった場合は外資系企業であると考えられます。また、社名が「○○ジャパン」「日本○○」の場合も、外資系企業であることが多いです。


一般的に、日本発祥の日本の企業のことを「日本企業」、海外進出している(または海外の企業に一定以上の出資をしている)日本の企業のことを「日系企業」と言います。


代表的な外資系企業の例

外資系企業で行われる具体的な仕事は想像しづらいかもしれません。その場合は、仕事や企業を題材にした映画の鑑賞がおすすめです。なかなか身近に感じられない投資銀行などであっても、銀行マンやリーマンショック等を題材にした映画を見ると、具体的な社名とともに社会での主な役割を知ることができます。


 ・外資系投資銀行

 …ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー


 ・外資系コンサルティングファーム 

 …マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティンググループ


 ・外資系IT企業

 …Google、日本マイクロソフト


 ・外資系メーカー

 ・食品

  …ネスレ日本

  …日本コカコーラ

 ・自動車

  …ボッシュ

  …ボルボ・カー・ジャパン

 ・アパレル

  …ナイキジャパン

  …バーバリー・ジャパン


・外資系保険会社

 …アフラック

 …AIGグループ

 …プルデンシャル生命保険


・外資系総合コンサルティングファーム

 …アクセンチュア

 …デロイトトーマツコンサルティング

 …PwC Japanグループ


・外資系戦略コンサルティングファーム

 …ベイン・アンド・カンパニー

 …ボストンコンサルティンググループ

 …マッキンゼー・アンド・カンパニー


・外資系会計コンサルティングファーム

 …KPMGコンサルティング

 …EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング


・外資系消費財メーカー

 …日本ロレアル

 …P&G Japan

 …ユニリーバ・ジャパン


・外資系製薬メーカー

 …ジョンソン・エンド・ジョンソン

 …ファイザー

 …ノバルティスファーマ


・外資系化学メーカー

 …BASFジャパン

 …ダウ・ケミカル日本

 …デュポン


外資系企業の仕事内容

仕事内容としては営業職・バックヤード業務・企画・マーケティング職などがあります。営業職では会社の製品やサービスを販売し、一般消費者に宣伝する役割を担っています。アフターサービスの仕事も請け負うため、企業・消費者・顧客をつなぐ窓口的存在でもあります。


バックヤード業務では経理・会計・総務など会社の運営に関わる事務作業が主な仕事となります。いわゆる事務職をイメージされるかもしれませんが、海外では総合職や一般職という概念はありません。

そのため、事務的な仕事のみ請け負うわけではないことを理解しておく必要があります。


企画・マーケティング職は、事業運営の戦略を立てたり販売促進を行ったりする仕事です。

海外本社で立てた事業計画を日本の需要に沿うように、どんな手段を使って落とし込めば良いのか戦略を立てるのが大きな役割となっています。同じ職種には外国籍の社員も多数在籍しているため、語学スキルは必須です。



外資系企業と日系企業の違い

外資系と日系企業の違いは、主に以下5つの観点で違いがみられます。あくまで傾向としての違いですが、それぞれ大きく異なります。


  1. 雇用
  2. 給与体系
  3. 福利厚生
  4. 仕事の進め方
  5. 評価制度

雇用の観点からみていくと日本では未だに「年功序列」「終身雇用制度」を前提にしている雇用が多く見られます。一方海外では社員のスキルや業績に応じて給与が決まる「成果主義」を前提に雇用しています。


給与体系では年功序列や終身雇用を前提としている日本は「職能給」が採用されている一方、海外では成果主義にもとづいた「職務給」が採用されています。


福利厚生では、住宅手当・通勤手当・各種保険など日本の福利厚生は充実しています。一方海外は福利厚生に力を入れていないため、充実した福利厚生が望めないケースも多いです。


仕事の進め方では、個人の裁量で物事を進めて行くことよりもチームで仕事を進めていくことを念頭に置いている日本に対し、海外では自ら考え行動に移すことを重要視しているため個人で仕事を進めていくことが多いです。


評価制度において、日本は比較的上長などと面談する機会が少なく、自分の評価をはっきりと確認しがたい環境であることも多いです。一方、海外では年数回の面談を通して自身の評価がどの程度なのか把握することができます。


外資系企業で働くメリット

メリット


「外資系」と聞くと、グローバル・語学堪能・自由な社風・実力主義等のイメージがあるのではないでしょうか。外資系が合うか合わないかは人によりけりですが、自分が就職時に譲れない条件と、条件それぞれの重要度を検討しておくと、エントリーする企業を決める際に役立てられると思います。


 ①給与水準が高い

一般的な日本の企業と比較すると、同業種でそれぞれ1~3割ほど年収が高いと言われています。とはいえ、日本の企業のなかでも給与水準が高い企業もあります。職種によっても違いがあるため、SNSや社員口コミが見られるサイトを活用し、情報収集を行いましょう。



 ②実力主義・成果主義

外資系では、個人の能力や業績によって評価されます。よって若くても優秀であれば、昇進・昇給もできるシステムです。日本の企業でもポテンシャル採用がなされるようになり、実力主義的な社会になりつつありますが、外資系のほうがその傾向が強くあらわれています。


 ③ワークライフバランスが尊重されている

残業をする=時間管理が不十分ととらえられるため、定時までに仕事を終わらせて帰宅する風潮があります。


例えばGoogleでは、19時以降オフィスに人がいないそうです。家族との時間を大切にする海外の考え方の影響か、休暇制度もしっかりしており、有給なども消化しやすいと言われています。


 ④グローバルな仕事環境

外資系企業ではさまざまな国籍の人と一緒に働くことができます。社内で当たり前のように英語を使う企業も多く、語学力は必須です。CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)でレベルが証明できるよう、語学の国際試験を受けておくのがおすすめです。


外資系企業で働くデメリット

デメ


では、外資系で働くデメリットはどのようなところにあるのでしょうか。人によっては外資系の働き方が苦手な人もいると思います。自分の良さを活かして働くためにも、どのような点で外資系が合うか・合わないかを考えてみましょう。


 ①福利厚生が手薄い

外資系企業では、日系企業のように住宅手当などの福利厚生を導入している企業は少ないです。しかし、その分給与が高いので大きなデメリットではないでしょう。



②結果が出せなければ生き残れない

外資系は雇用が不安定だと言われています。優秀な人は昇進・昇給できますが、仕事が合っていない場合は厳しい現実に直面することになるでしょう。最悪、解雇になる恐れもあります。とはいえ日本の労働法上、一方的にクビになるということはありません。


ただし、実力のある年下が昇進し、自分は変わらないとなると自主的に去っていく人も多いようです。とくに成果重視の外資系コンサルティングファームは「Up or Out(昇進するか退職するか)」という文化が見られます。


また海外ではインターンや職業訓練で業務の経験を積み、それから正式に就職することが多いと言われています。そのため「正社員=十分な実力がある」と認識されやすいです。外資系の場合、そのような仕事のスタイルごと日本に輸入されていると考えられます。


 ③ボスの権限が強い

外資系企業では、基本的に直属の上司が部下の評価を行います。上司にとって良い部下(成果を上げられる部下)であれば、出世もしやすいと言えます。しかし、そうでなければ働き続けること自体が難しくなります。


特に上司が外国人である場合は、十分なコミュニケーションが取れるように、必要に応じて相手の文化も学びましょう。


④一定の英語力は求められる

外資系企業の本社がどこであれ、ビジネスレベルの英語力は求められます。TOEFLやIELTS等、国際的に知られる試験でスコアを取得しておくと役に立ちます。


スコア基準が設けられていない場合は、自分の力を信じて選考を受けてみるのもよいと思います。筆者の周りでは、日常会話レベルの英語力で現地企業への就職を決めた人もいました。



外資系企業に向いている人は?

向いている人
    外資系企業で働いてみたい方は、一体どんな人が外資系企業に向いているのか気になりますよね。
    そこで今回は外資系企業に向いている人の特徴を下記に5つ挙げました。

  1. 自ら目標設定や努力ができる人
  2. 意見をはっきり言語化できる人
  3. 視野が広く多様な観点から相手を理解できる人
  4. コミュニケーション能力が高い人
  5. 英語を活かしグローバルな環境で働きたい人

下記で内容を見ていきたいと思います。


 ①自ら目標設定や努力ができる人

外資系企業は柔軟な働き方ができる反面、日系企業よりも自己管理能力が求められます。成果を重視する実力主義のため、時間の使い方は個人の裁量に任されますが、成果を出さなければ職を失うリスクも秘めています。


また年功序列の日系企業とは異なり、ある程度の勤続年数があっても必ず昇進するとは限りません。自分でキャリアプランを設計し、ステップごとに目標を設定し続けて努力できる人が外資系企業に向いているといえるでしょう。


②意見をはっきり言語化できる人

外資系企業では指示されたことを実行するだけでなく、自分の意見をしっかり言語化して相手に伝える能力が必要です。


同じ職場であっても異なる文化の人が働いているため、意見があるならばきちんと言葉にしなければ伝わりません。会議では新入社員でも意見を求められるため、自分の考えをきちんと述べることは大切です。


③視野が広く多様な観点から相手を理解できる人

外資系企業では、多様な視点から物事を見る力が求められます。異なるバックグラウンドを持つ同僚やクライアントとうまく仕事をするためには必要不可欠な能力です。


たとえば、日本人同士のビジネスメールでは返信に対してお礼のメールを送るのが一般的ですが、こういった習慣がない国も多くあります。外資系企業で働く際は自国の文化で考えるのではなく、多様な視点から理解しようとする姿勢が大切です。


④コミュニケーション能力が高い人

外資系企業では、海外の社員とメール・電話・Web会議などでコミュニケーションを取ることも多いです。公用語の習得はもちろん、実際に会って効果的なプレゼンテーションを行うためのコミュニケーション能力も必要になります。


また、海外の社員から伝達された情報をもとに自国の社員とコミュニケーションを取る機会も少なくありません。そのため、どんな状況でも相手とコミュニケーションが取れる高い能力が求められます。


⑤英語を活かしグローバルな環境で働きたい人

外資系企業の多くは英語中心のワークスタイルに加え、さまざまな国籍の社員と連携して仕事を進めていくことが多いです。


日常会話はもちろん、プレゼンテーションなども英語で行うことがあるため、ビジネスシーンで英語を使ってグローバルに活躍できます。


    外資系を志す際の注意点


    海外出張や海外赴任を目的とするなら、日本の企業の国際部門に行く方がチャンスは多いです。


    外資系の日本採用は日本で働く人材を採る目的で行われています。そのため、国内でグローバルに活躍したい人に向いています。ゴールドマンサックスの採用ページでも、地域に根差しつつ、グローバルにネットワークを利用することが必要だと指摘されています。


    外資系企業が日本で十分に展開するにあたっては、日本の特徴を捉えていることこそが重要です。採用活動においては「現地に詳しい、地域経済の当事者」を発見することが目的であり、ただ単に語学が堪能・グローバル志向な人材を探しているわけではありません。「外資系企業だから日本経済は知らなくていいや」とはならず、外資系で働くからこそ日本経済への十分な理解が必要とされます。


    外資系企業の選考の特徴について

    特徴


    ここまで「外資系で働く」ことに注目して紹介してきましたが、実際に働くには選考を通過しなくてはいけません。


    ここでは大まかな流れをご紹介します。企業ごとの詳しい選考スケジュールは異なりますので、各企業の選考ページをご参照ください。また、日本の企業も含めた就活全般の開始時期に関しては、以下の記事にまとめています。こちらもあわせてご覧ください。


    就活は何月に始めて、いつ終わる?開始時期ごとの解説と短期で終わらせるコツ3選


    外資系は日系より選考時期が早い

    一般的な日本の企業は経団連の指示で就活時期の制限がありますが、外資系はその制限がなく、早めに優秀な人材を確保できます。経団連による「就活ルール」は廃止されると言われていますが、現時点(22卒の段階)では多くの企業で例年通りの採用活動が行われています。


    外資系の選考は、その条件の良さから優秀な人材が集まりやすく、競争も激しいと言われています。自分は入社後どのように役立てるか、経験とともに説得力を持ってアピールすることが重要です。


    実際の選考スケジュール

    ・大学3年 夏~ インターン

    大学3年の春からインターン情報をリサーチしましょう。特にコンサルは6月頃にインターンが行われる場合もあるようなので、早め早めに行動しましょう。締切日から逆算して、計画的に応募することが大切です。

     

    ・大学3年 9月~1月 本選考

    秋になると、Webテストやエントリーシートの提出が増えます。外資系も他の日本の企業と同様に、面接やグループディスカッションで選考が行われます。また、外資系では「ジョブ」と呼ばれる就業体験が用意されており、実務内での適性確認や能力テストも実施されます。優秀と認められた場合、12月~1月頃に内定が出されます。


    選考ステップとしてインターンが超重要

    外資系企業では、インターン参加から本選考につながるケースが多いようです。インターンで人事が就活生を観察し、優秀者を面接に呼んで内定を出します。そのため、本選考より前に内定をもらう人もいます。

    インターンの優秀層で採用枠が埋まる可能性も高く、早くから企業と接点を持つことが重要とされます。本命企業にはインターンから応募をして、少しでも可能性を広げておきましょう。


    まとめ

    まとめ


    外資系企業についてまとめました。この記事のポイントをおさらいします。

    ・外資系企業とは、海外の企業や投資家が一定以上の出資をしている日本の企業のことである
    ・給与水準は比較的高く、ワークライフバランスも尊重されている
    ・その反面、実力主義であり、能力が十分でないと解雇の恐れもある


    外資系企業は選考・働き方ともに、一般的な日本の企業との相違点が多いです。「外資系だから良い」「日本企業は合わない」といった見方ではなく、それぞれどのような点で自分に合うか・合わないか検討することが大切です。


    ざっくりと志望が決まったら、企業を一つ一つ吟味して志望順位を決めていく作業もしてみましょう。詳しくは、企業研究の方法とともに以下のページで解説しています。


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編集者

JobSpring Online編集部

後悔のない就活を応援するメディア「JobSpring Online」のメディア編集チーム。

構成メンバー: コンサルタント、人材業界マーケター、学生ライター、etc.

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